2005/5/12

ライフ・アクアティック  映画

『ライフ・アクアティック』
素晴らしいのひと言。アメリカの政府がやっていることは支持できないけど、アメリカ映画はやはり素晴らしいものがある。
実はウェス・アンダーソン監督の映画を初めて見た。天才監督と噂は聞いていたけど、これは本当に天才だと思う。やっぱり世の中には本当に才能がある人がいるんだなあ。
この映画の登場人物は僕と嗜好が重なるところはほとんどないのであまり共感を覚えるわけではないんだけど、とにかくすみずみまで映画的な瞬間に溢れている。ハワード・ホークス的だったりフェリーニ的だったりトリュフォー的だったりする、映画的な瞬間にあふれているのだ。
なんといっても、船をまるでフェリーニの映画のセットみたいに三階まであっていろんな部屋に区切られているようにして、それを断面として立体的に見せたことによって独特の空間感覚を造形し得たと思う。ここをビル・マーレイとオーウェル・ウィルソンが移動するシーンのわくわく感。これは2人が喧嘩しているシーンなんだけど、なんと微笑ましい、すがすがしさを持った父と息子の喧嘩の描き方なのか。
ビル・マーレイの主人公を父親のようにみんなが慕う、まるでホークスの映画のような仲間意識で結ばれていながら、しかし、このビル・マーレイはなんとも自分勝手な我がままな男である。あのリチャード・フライシャー監督の傑作『海底二万マイル』の哀愁漂うネモ船長とは大違いだ。なぜこの自分勝手な男が父親のように慕われるのか?
その答えも具体的に提出してはいるんだけど、家族が崩壊した今のアメリカ社会で、だからこそ擬似家族的な運命共同体がいかに成立し得るかを荒唐無稽な形でわくわくさせるように描いてみせたのはたいしたものだと思う。そして、この視点でここに描かれる擬似家族的な愛の形は妙にトリュフォー的な感触がなぜか、あるのだ。
ため息が出るぐらい、映画的な作品である。
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2006/1/12  21:43

投稿者:kusukusu

コメント、有難うございます。
完璧な作品かどうかは分かりませんが、変な傑作で
した。お笑い(カニとか・・)や音楽の面でもかな
り狂ってましたね。
元ネタのクストーの海洋ドキュメンタリーは僕も見
てないので、機会あれば見て比べてみたいですね。

2006/1/12  21:21

投稿者:Ako

ホント、最高傑作でした!!
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』ではこれほどハ
マらなかったと思うのですが、この映画は完璧でし
たね、ヤラれたって感じです。監督の映画作りに対
する愛情が伝わってきました。
今回は、kusukusuさんと意見が合ってよかったで
す。いつもながら、元ネタなどの情報提供ありがと
うございました★

http://coldfever.at.webry.info/

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