2008/7/1

共産党の環境政策について考えてみる  公害・薬害・環境・医療問題

日本共産党が、「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国際的責任をはたすべきか」という環境政策について述べた一文を6月25日に発表した。
「なるほど」と思うところと、「むむむ、これはどうなんだろうか・・?」と思うところが混在するものだったので、自分の思考を整理する意味でも、思ったことを書きとめておく。

まず「排出量取引制度」についてはあちこちで言われていることなのでとりあえず置いておくとして、問題(だと思うの)は環境税についての考えを述べているところである。
以下のようにある。

「環境税は、石油・石炭・天然ガスなど化石燃料を燃やしたさいに生ずる二酸化炭素の量に応じて課税し、国の予算上、使い道を特定しない「一般財源」とします。主要な負担は、化石燃料の大半を使用している大企業・財界がになうのが当然です。低所得者、医療・福祉・教育施設、公共交通の燃料、中小・零細企業、食料自給にかかわる農業・漁業、寒冷地などについて適切な負担免除・軽減措置をとるべきです。」

ここで「大企業・財界がになう」というのが、共産党らしいところだなーとは思うわけであるが、しかし、「えええ?ちょっと待て」と僕は思ったのだ。
だって、それって具体的にどういう風に税金をかけるんだ? 共産党の考えでいくと、環境税を、大企業(大企業か中小・零細企業かは収益がいくら以上かで区分して?)と高所得者層(年収いくら以上とかで区分する?)からだけ、とるということのようだけど・・。しかしねえ、環境税をもうけるのに、そういう形の税金のかけ方というのはどうなんだろうか? だってさあ、「化石燃料の大半を使用している大企業・財界」と決めつけているけど、たしかに大企業はそれだけ化石燃料を使用している量が大きいかもしれないけど、別に化石燃料を使用しているのは大企業だけじゃなくて、中小企業も一般家庭もみんな、なんですけど。
高所得者か低所得者かと言うけど、たとえば高所得者で自家用車は一切、運転せず持っていないという人と、低所得者でしょちゅう、自家用車に乗っているという人とかがいたら、どちらの人が化石燃料を多く使っていると思う? 車を運転する人の方なのでは? 
あるいは、高所得者でも、環境に対する意識が高い人だったら、すべて自宅の発電を自然エネルギーでまかなっている(太陽エネルギーとか)という人がいるかと思う。こういう人は、むしろ、負担免除の対象になるべき(高価な太陽光発電をわざわざしているので)だと思うんだけど、共産党案のように所得で環境税を負担するか否かを区分するのであれば高所得者だから負担免除の対象にならないことになるのか?
つまり、この場合、大企業か、中小・零細企業か、あるいは高所得者か、低所得者かで区分するという話ではないと思うのだ。
そうではなくて、環境税をかけるなら、たとえば職種別に、どれだけ、化石燃料を使用しているかを試算してそれで割合を決めてかけるようにするとか(この場合、その企業が大企業か中小・零細企業かではなくどのような職種の企業であるかが問題になる)、あるいは、ガソリン車を持っている人がいたら1台につき、いくらの環境税を払うとか・・。そうしなきゃ、意味がないわけで、高所得者だけに環境税をかけるなんていうのはむしろ、不公平なことが生じないだろうか?
だいたい、クリーンな自然エネルギーのほうが高価なものであるわけだから、そちらを普及させるために発電を自然エネルギーでまかなっている会社なり家庭なりは税制で優遇するとか、クリーンなエネルギーで動く車をもっている人はガソリン車をもっている人より優遇するようにするとかいうのは分かるけど、そういう形で化石燃料を使用しているか否かで区分して環境税をかけるようにしなければおかしいわけで、大企業か、中小・零細企業か、あるいは高所得者か、低所得者かということで区分する話ではないと思う。
たとえばプラスチック製品をつくっている会社があったとする。そこにプラスチック製品でもうけているのに見合うだけの税金を負担させるというのが環境税のあり方であって(本当は、そんなことより、プラスチック製品をつくること自体を禁止してしまうべきだ、そのほうが抜本的な環境対策なのだ・・という考えの人もいて、その意見をもっともだと思うところもあるのだけど、とりあえずここではその議論は置いておいて、環境税をかけるならこうするべきではないか?という意味で書いているのだけど)、その企業が大企業か、中小・零細企業かが問題なのではない。プラスチック製品をつくっている企業であることが問題なのだ。プラスチック製品をつくっている企業でも、大企業でなく中小・零細企業だったら環境税が免除されるのであれば、仮にそういう環境税というものが出来たとしても、プラスチック製品をつくっている企業の側は税金がかからないようにみんな、分散して子会社の「中小企業」にしてしまって、そこでプラスチック製品をつくらせて、親会社は束ねているだけ・・みたいな形にするだけだと思う。(そういう「抜け道」があることがすぐ分かる。)
また、たとえば「公共交通の燃料」を「負担免除・軽減措置」の対象のひとつとしてあげているけど、これは「公共交通の燃料」はクリーンな自然エネルギーを使うようにして、それに対する優遇措置としてそうするのなら分かるけど、「公共交通の燃料」にも化石燃料を使用しつづけて、なのに「公共交通の燃料」だからといって「負担免除・軽減措置」にするなら環境対策として意味がないのではないか・・?

つまりさあ、「大企業・財界がになう」という、そういうところに話を持って行くのは、共産党らしいとは思うんだけど、ちょっと労働問題の話を環境問題に結び付けようとしているから変な提案になっているのではないかと僕は思うのだ。労働問題と環境問題は別なのよ。電気は我々、ひとりひとり、みんなが使っているんだからさ。どんな低所得者でも電気の恩恵を受けているわけで、全員が環境破壊の加害者なのだ・・という自覚から始めるしか、ないのだと思う。そうでなきゃ、化石燃料からクリーンなエネルギーに転換する・・なんてできっこない。結局、化石燃料とか、原子力発電をやめていく・・ということは、今のままに電気やエネルギーを使用していくことはあきらめなきゃならないわけで、今のままに電気やエネルギーを使用しつづけながらクリーンなエネルギーに転換なんて不可能な話なのだ。高所得者か、低所得者かに関係なく、我々は質素な原始的な生活スタイルに戻ろうじゃないか・・というところにいかなきゃ、結局、無理な話なのであって。
大企業や高所得者層が負担しろなんて言っているのではダメだと思う。ダメというか、所得とか、関係なく、電気を使って生活して生きているのは我々ひとりひとりなんだから・・。大企業や高所得者層だけを責めても、それでは、原発、やめることだって出来ないと思う。原発は「クリーンなエネルギーと言っても高価だし、電気なしには生活できないんだからやっぱり原発しかない」という民意のもとに動いている面もあるんだと思うから・・。
共産党の環境政策は労働問題に話を結び付けようとするから本筋から外れてしまっているのではないだろうか?
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