2012/8/4

カネミ油症、救済法関連報道  公害・薬害・環境・医療問題

*すでに報道されている通り、カネミ油症の救済法案、民主党の案に、大筋で合意されたようです。
僕も昨日は昼間は上京した被害者の人達と一緒に動き、夜は官邸前抗議行動に参加しました。

報道は多数ですが、長崎新聞と南日本新聞が被害者側のニュアンス(決して被害者の人達にとってじゅうぶんに納得がいく内容ではないが、一歩、前進と受け止め、受け入れるということ)も含めてよく報道していると思いますので、紹介します。


カネミ油症の救済法が成立へ(長崎新聞)

 民主党がまとめた「カネミ油症」の新たな救済法案に超党派議員連盟が大筋合意した3日、患者らは、原因企業カネミ倉庫を介した間接的な医療費支給に不満をあらわにしながらも、議員立法による法制化を「大きな一歩」とした。

 超党派議連の総会後、カネミ油症五島市の会(矢口哲雄会長)など全国の患者らが都内で記者会見。同会事務局長の宿輪敏子さんは、新法案の概要を知った時、悔しさに「泣いていた」と打ち明けた。一方、「この法案に反対すればゼロからのスタートとなる。法制化は大きな一歩。私たちの力でよりよいものにしていくしかない」と涙を浮かべ、苦渋の決断をにじませた。

 同会の下田順子さん(諫早市)は「医療費の公費負担を被害者は望んでいる。加害企業から医療費が回ってくるのは大きな不安。だが被害者は高齢化し次々に亡くなっており、泣く泣く案をのみ込んだ。これでスタートに立てたと考えたい」と複雑な胸の内を語った。

 同会は、法案成立後の救済策の実効性を検証するため、被害者と国の定期協議や、国、被害者、カネミ倉庫3者による協議の場の設定など、5項目の施策の具体化を求めた。

 患者を支援する保田行雄弁護士は「初めて法律が提案される点は評価できるが、カネミ倉庫による支払いの支援という構図を受け継いだのは残念。国の財政支援がきちんと使われているかなど、患者が国、カネミ倉庫と協議し検証できるようなシステムが必要」と指摘した。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20120804/02.shtml


[カネミ油症] 救済法は一歩前進だが
(8/4 付)
 1968年に西日本一帯で起きた食中毒「カネミ油症」の被害者救済をめぐり、超党派の国会議員連盟は、民主党が新たにまとめた救済法案に大筋合意した。法案は民主、自民、公明3党の議員立法として今国会に提出され、成立する見通しである。
 国内最大の食品公害は発生から44年で、被害者の公的救済が実現する見通しとなった。カネミ油症をめぐっては被害者が立法化による恒久救済を求めてきただけに、法制化は一歩前進といえる。
 ただ、被害者が求めた国による直接的な医療費支援は盛り込まれなかった。高齢化が進み、これ以上先に持ち越したくない被害者が苦渋の末に受け入れたことを政府は肝に銘じるべきだ。
 法案は、国に救済策を実施する責務があると明記し、原因企業のカネミ倉庫(北九州市)による医療費などの安定的支給を支援する施策を講じると規定した。具体策として国が患者らを対象に健康実態調査を毎年行い、協力した患者らに国とカネミ倉庫が生活支援金など年24万円を支給する。
 現在約1370人の認定患者に加え、同居家族で認定を受けていない人の一部も患者として認定し支援金の対象とする。批判の強かった家庭内で認定と未認定に分かれる現行の認定基準を見直したのは当然だ。
 カネミ油症は、米ぬか油を製造する過程で猛毒のダイオキシン類などが混入し、この油を使った料理を食べるなどした約1万4000人が頭痛や皮膚疾患を訴えた食品公害である。
 被害者が国やカネミ倉庫などに損害賠償を求めた訴訟は87年に和解。認定患者は、カネミ倉庫が医療費の一部を負担する「油症券」を持つものの、使用できる医療機関が限られて利用できない人も多くいるなど不十分な内容だった。
 被害者救済をめぐっては、民主党は野党時代の2006年、健康被害を受けた人を広く救済対象とする法案(廃案)を提出した。
 議員立法による救済に厚生労働省と財務省が「油症発生は国に責任はない」と難色を示したことに同調する姿勢を見せ、立法によらない救済策を政府と検討していた。しかし、法律による恒久的救済を求める被害者や野党の反発を受け、方針転換した。

 今回、法制化の見通しは立ったが、被害者は十分納得しているわけではない。被害者の多くが亡くなり、現状を打開したいという思いがあったはずだ。政府や議員連盟は法制化にあたり、細かい点を詰める際は被害者の意向を十分に聞いた上で協議する必要がある。
(南日本新聞)


*次に、福田衣里子議員のブログ。
ここにある通り、週明けに野党が内閣不信任案提出というニュースが流れていて、政治情勢がまた不透明になっています。昨日、被害者たちは苦渋の選択、決断で今回のカネミ油症救済法案を受け入れたのですが、その苦渋の決断で受け入れた法案の成立がまた政局によって翻弄されるのではたまりません。


2012年08月03日

カネミ油症、超党派議連
こんにちは。

地元諫早の内村航平選手が金メダルを獲得!

すごく嬉しいですし、感動ですね!!

皆さんと一緒に喜びを分かち合いたいと思います(^−^)

さて、本日は「カネミ油症被害者の救済法案を実現する議員連盟」を全11党の国会議員、患者の皆さん、関係各省の参加のもと開催しました。私は司会を務めさせていただきました。

これまで、民主党では、山田正彦議員、城井崇議員と共にこの問題に取り組んできました。

そして、超党派では、公明党の坂口力議員を会長に、自民党の河村建夫議員、武田良太議員などと一緒に水面下で調整を続けてきました。

与党・民主党として、政府とも調整し、多くの方にお力添えを頂き今回の案にいたって、本日の議連でおおむね了承。各党党内に持ち帰り議論していただくこととし、今後については会長一任との結論を頂きました。

ようやくここまできました。患者の皆さんにとっては100点満点ではないかもしれませんが、ここで何とか突破口を開き、のちにさらにより良いものとしていけたらと思います。

何とか今国会で成立させたい。しかし、今、内閣不信任案提出などの報道もなされており、国会が不正常になる危険も漂っています。

ようやくここまでたどり着きました。あと一歩です。

命が政局に翻弄され続ける政治ではいけません。 <

http://blog.livedoor.jp/ennriko555/archives/51639849.html


*テレビですが、テレビ朝日、報道ステーションは、報道内容はともかく、カネミ油症のニュースの後、カネカのCMを流していました。わざとではないでしょうが、カネカが報道ステーションのような番組のスポンサーなのだという現実を突き付けられました。
TBSは、次世代への影響という点(次世代の被害者は今回の救済法案でも対象になっていない)に着目していました。


カネミ油症、子や孫に続く被害

 国内最大の食品公害とされる「カネミ油症」。与野党が支援法案に合意し、被害者救済をめぐる動きは、44年もの月日がたって、ようやく本格化してきました。被害者たちは大きな前進とする一方で、今なお子供や孫の世代まで続く症状に苦しんでいることを知ってほしいと訴えます。

 大根やニンジン、大豆、ひじき。食卓には野菜サラダや味噌汁が並びます。体の中に残されたダイオキシン。その働きを抑えるためにできる、今ただ1つのことです。

 長崎県諫早市に住む下田順子さん。頭痛や腹痛などの具合の悪さが40年以上続いています。その原因は食用に作られた油でした。

 「美容と健康にいい」。44年前、そんなうたい文句で販売された食用油。北九州市の油メーカー、カネミ倉庫が製造しました。ところが、その油に化学物質のPCBが混入していました。それは熱によって猛毒のダイオキシン類に変化していました。

 「小学校のときは鼻血出っぱなしでしたので。一番ひどいときは半日くらい止まらなかったりとか」(下田順子さん)

 当時6歳だった下田さんは、母親の手料理からその油を摂取しました。「カネミ油症」。下田さんのようにその油を口にした人は、吹き出物や手足のしびれ、内臓疾患など様々な中毒症状に襲われました。被害を届け出た人は当時25都府県で約1万4000人にも上りました。「国内最大の食品公害」と言われるゆえんです。

 さらに、生まれたばかりの黒い肌の赤ん坊。カネミ油症患者の母親から生まれた子どもです。

 「普通の黒さじゃなくて、見たこともないぶどう色のような真っ黒い赤ちゃんだった」(赤ちゃんを出産したカネミ油症被害者)

 カネミ油症は母から子へ、そして孫の世代にまで深刻な健康被害を引き起こしています。ダイオキシンは体内から出にくく、治療法もありません。

 「影響がなければいいんですけどね。健康被害とか。(Q.あると思いますか?)うーん、あるでしょうね。正直認めたくはないんですけど」(下田順子さん)

 下田さんを長く苦しめてきたのも子どもたちの将来のことです。

 「カネミのことがあるから、幸せな結婚ができないとか。好きな人と結婚できないこともあるかもしれない」(下田順子さん)
 「うーん、分かんない」(長女)

 子どもの代まで含めた被害の実態はいまだ把握できていません。

 下田さんたちはこれまで、国による直接的な医療費の支援に加え、子や孫の代への救済を求めてきました。現状では、操業を続けるカネミ倉庫が被害者への医療費を支払っています。しかし、それは認定患者に限ったもので、対象は被害を訴えた1万4000人のうち、わずか13%にすぎません。被害者への賠償金500万円もいまだに支払われていません。

 「親から子へ、子から孫へとつながれていく命のバトン。同時に猛毒のダイオキシンもつながれていくのでしょうか」(下田順子さん)

 国会には3日、与野党の実務者が集まりました。そこで被害者の支援法案について今の国会での成立を目指すことで合意しました。その中身は大きく分けて2つです。まず、認定患者らに1人当たり年間24万円を支給すること。もう1つは、診断基準を見直し、認定患者の範囲を拡大することです。

 一方で、下田さんらが求めていた医療費については、現行のままカネミ倉庫が支払う、子や孫の代の救済についての言及もありません。

 「私たち被害者が求めているのは医療費の公的負担です。直接食べていない二世。三世をそのままにしては、一世の被害者、特に母親は死ぬに死にきれない」(下田順子さん)

 「救済の法制化は大きな前進、だけど悔しい」。被害者からはそんな声も出ました。
(03日16:58)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5097689.html


*神戸新聞では、渡部道子さんが語っています。
(拙作『食卓の肖像』でも、渡部道子さんの発言は分かりやすいとアンケートでも好評でした。)


カネミ油症救済法案合意 姫路の渡部さん追加対策求める 

 「カネミ油症」問題で、超党派の国会議員連盟がまとめた被害者救済策について、関西在住の被害者でつくる連絡会代表の渡部道子さん(56)=姫路市=は3日、「ようやく一歩を踏み出したが、救済内容はまだまだ不十分だ」と語った。

 渡部さんは海上保安庁勤務だった父親(故人)の転勤で、小学6年だった1968年に長崎県玉之浦町(現五島市)に移り住んだ。油を摂取し、高熱や、いすに座れないほどの痛みを伴う吹き出物に苦しめられ、30歳ごろまで「長生きできない」と言われたという。

 家族4人は全員、患者に認定され、体質改善に取り組んだが、今も吹き出物の痕が体に残り、体重は40キロもない。原因企業のカネミ倉庫(北九州市)は医療費の一部を負担する「油症券」を認定患者に発行しているが、関西は油症の知識が乏しい医師が多く、「券は役に立たない」と話す。

 大阪府によると4月現在の近畿2府4県の認定患者は111人、未認定患者は少なくとも33人。

 救済策は、国とカネミ倉庫が健康実態調査に協力した患者に年24万円を支給することが柱だが、渡部さんは「油症は私たちの代で終わりではない。これから先も長く苦しみが続く若い世代を救うため、さらなる救済策を」と訴えている。(足立 聡)
(2012/08/04 08:05)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005266130.shtml
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