2014/10/11

『色道四十八手 たからぶね』  映画

井川耕一郎監督の『色道四十八手 たからぶね』。なんと、ピンク映画50周年記念作品だ。
井川さんが好きな映画『冷飯とおさんとちゃん』を思い出す。『冷飯とおさんとちゃん』の第2話、「おさん」で、妻・おさんが知らない男の名前を口にするのに苦悩する夫。ここから発想されたのか、『色道四十八手 たからぶね』はセックスにうぶと思われた妻が「たからぶね」という謎の言葉を口にすることから話が始まる。
「たからぶね」というのは実はセックスの体位なのだけど、妻(あるいは夫)が知らない異性の名前を寝言で口ずさむなんてそれこそありきたりな話だろうけど、謎の体位を口ずさむというのは発想として抜群で面白い。舟とか水辺とかはひどく映画的なものなので(『アタラント号』とか『ジョーズ』とか。)「たからぶね」というのが何やら映画的だし。
しかし、妻の正体が分かっても夫は妻を憎めない。それもそのはずだと思う。そもそも「うぶな妻」を求めていたのは夫のほうだったのではなかったのか。夫が「うぶな妻」を求めて、その設定に燃えるから、妻はそれを演じていたんでしょ。なら、妻の演技は騙していたというより夫への愛情表現でもあったのでは。そこがとらえられているので、このヒロインの妻は憎めないし、やはり可愛らしく思えてしまう。むしろ、「うぶな妻」を求めていたのは自分なのに、そのことを省みないで、俺にも「たからぶね」をしてくれ…なんて言うのは、男の勝手ではないだろうかと思う。
欲を言えば、そこらへんの、夫の内面的苦悩をもう少し、深めて描いて欲しかった。たとえば鈴木清順監督『ツィゴイネルワイゼン』(親友の妻に子どもを産ませた男の苦悩の話)に比べると、内面的葛藤が足りないような気がちょっとしたが…。(ここで、鈴木清順の映画に内面的葛藤なんて描かれているのかよ?とは突っ込まないでください。)
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