2014/12/18

アベノミクス考  時事問題

アベノミクスについて、あるメーリングリストで議論をしていて自分なりに考えがまとまったので書き留めておきたい。
まず、大きな流れとしては、小泉政権の、新自由主義的な、「小さな政府」の方向への揺り戻しとして、「大きな政府」が出てきて、国家主義的な方向に回帰しているという見方は出来るのかもしれないと思う。
小泉政権のおこなったことをざっくばらんに整理すると、いわゆる新自由主義の考え方というのは市場の経済活動はなるべく政府が介入しないで企業に自由にさせたほうが活発化していいという考え方で、そのため、「小さな政府」で、規制緩和して企業に自由にさせた。規制緩和され企業間の競争が熾烈になるということは、価格のデフレの競争が熾烈になるから、そのために企業は人件費を切り詰め、非正規社員が増えたり、ブラック企業化したりしていった。これを、小泉氏は「痛みなくして成長なし」と言っていたのだが、ところが、デフレ競争が進みすぎていつまでも不況を脱出できない悪循環になり、「痛み」ばかりで「成長」がいつまでもなかった。
この小泉政権の「小さな政府」に対する揺り戻しとして安倍政権の国家主義的な「大きな政府」が出てきているのだと考えると、アベノミクスという経済政策は新自由主義的な「小さな政府」とは別方向のものであり、アベノミクスの金融緩和政策は新自由主義とは異なるケインズ主義的な政策であると言えるのかもしれない。
しかし、アベノミクスの問題点は、第一の矢、第二の矢はケインズ主義的な政策なのだが、第三の矢は新自由主義的な政策であり、ケインズ主義的な政策と新自由主義的な政策がごっちゃになっているように考えられる点ではないか。
つまり、金融緩和政策はケインズ主義的な政策なのだけど、国家戦略特区の構想を見ると、国家戦略特区は大まかには国家戦略として行うものなので「大きな政府」が行うものとも言えるのかもしれないが、その中身はより規制緩和して企業間に自由に経済活動をさせるもので新自由主義的な政策であり、小泉氏が進めてきた方向へのアンチどころか、さらに進めるものという見方ができるのだ。
私は金融緩和政策自体は有効性を持つところがあるかとは思う。
とにかく、デフレから脱却して、不況を脱出しなければならないということは言えると思うし、そのためにまずインフレを起こして景気を回復する必要があるというのはまったく間違った考え方だとまでは思わない。
しかし、インフレで物価が上がるのなら、同時に労働者の賃金も上がっていくのでなければならない。物価が上昇していけばやがては賃金も上がっていくのではないかとは思うが、たとえば数年先に物価が2倍になり、賃金が1.5倍になると想定すると、実質賃金は下がることになってしまう。物価の上昇に追いつくだけ、賃金が上がらなければその人にとって景気が回復したとは言えない。
特に、ギリギリで生活をしている低所得者層にとっては実質賃金が下がるのは厳しいし、金融緩和政策を行い、インフレを起こすのであれば、同時に、低所得者層がさらに実質賃金が下がって、さらに格差が広がるようなことにならないようにする格差是正の政策が必要なのではないだろうかと思う。
なのに、安倍政権は、格差是正どころか、第三の矢として新自由主義的な政策を掲げていて、消費税増税も行うようであり、ますます格差を広げる政策を行うようなのだ。これではやはりトータルに考えて安倍政権の経済政策は危ういのではないかと思えるのだが。
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