2016/10/21

『ハトは泣いている』  映画

松本武顕監督のドキュメンタリー『ハトは泣いている』を見た。松本さんは、私の師匠、故 浅野辰雄監督の助監督をかつてされていたことがある方で、つまりは私の兄弟子にあたる人だ。
中垣克久氏の立体作品が現政権を批判しているからと都の美術館から撤去された事件と、さいたま市の公民館が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」という俳句を月報に掲載拒否した事件の顛末を追いかけたものである。作品撤去や掲載拒否といった表現の自由にかかわる重大事を題材にしているものの、それらは公害のように症状をともなう被害者がいるわけではないのでいわば目に見えない被害だし、そうした題材で130分という長さの映画はどうなのかと見る前は思っていたのだが、飽きることなく見ることが出来た。何より、被写体の中垣さんが魅力的。深刻な題材の立体作品、彫刻作品を作っているのだが、この人には言葉の端々にユーモアがある。また、俳句の会の方々の言葉にもユーモアを感じた。今の時代に表現の自由がなくなってきているという深刻なテーマを扱っていながら、ユーモアを感じ、ところどころで笑える映画になっている。もともと被写体の方たちが魅力的だったことと、松本監督がうまくインタビューで誘導してそういう魅力的な言葉を引き出しているところがあるのではないかと思う。良作。
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