2005/7/5

『いつか読書する日』  映画

『いつか読書する日』
上野昂志、北川れい子、荒井晴彦などが絶賛しているので見に行ったのだが・・。
すごくよく出来た映画、いや「日本映画」だと思う。ああ、日本映画ってこういう風だったんだよなあと思い出す。たとえば田中裕子が牛乳配達する姿は、ふと柳町光男監督の『十九歳の地図』で本間優二が新聞配達をする姿を思い出させる。
しかし、個人的にはどうにも煮え切らない印象の映画なのだ。あまりにも主人公2人をめぐる恋の話がきれい過ぎるのだ。『十九歳の地図』のようなドロドロしたものが感じられない。児童虐待、痴呆老人など、サイドストーリーで人間のドロドロした部分が顔を見せるのだけど、これもきれいな枠の中に収まってしまっていくかのようだ。
基本がきれい過ぎる話なので、どんなに丹念に生活描写を積み重ねてもドキュメンタリー的な、生活そのものに肉薄する迫力とは違い、どこまでも作られた話という印象に収まってしまっているかのようだ。
だから、ある意味、フィクションに対する無防備さが奇跡的に見たことがないような映画を見てしまったという衝撃を受けた『1リットルの涙』のような新鮮な衝撃をこの『いつか読書する日』は受けることはなく、かつて見たことがある「日本映画」、ああ、成瀬や柳町の映画みたいだなあ・・という枠の中の感想に収まってしまうのではないだろうか。
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