2005/3/30

再びスタージョンについて  SF小説

チラッとシオドア・スタージョンの『時間のかかる彫刻』(『スタージョンは健在なり』の再版)のことを書いたけど、これはたしか、スタージョンが4度目の結婚をしたときに続々、書いた短編をまとめたものだったでしょうか。
このスタージョンというSF作家は、女性とうまくいっている時は続々と作品を発表し、女性と別れ失恋するととたんにスランプになるという人だったと言います。(笑)
これは、スタージョンの小説というのは、SFで奇想天外な話のものばかりなのにもかかわらず、けっこう自伝的な要素が入っているものらしい(小説の登場人物と父親との関係とか、職業の話とかの面で)ということも関連ある問題なのかもしれません。
そもそもシオドア・スタージョンはジャンルとしてはSF作家とか幻想小説家に分類されるのだろうけど、SFなのかどうかは分からないけれども。どのジャンルにも属してなくてただ「スタージョンの小説」と言うしかないようなものかもしれません。
作家以外にも、船乗りをはじめ、様々な職業を転々とし、5度、結婚し、さらには『スタートレック』などのテレビの脚本や、他の作家のゴーストライターもやっているというすごすぎる経歴の人ですが、スタージョンの小説は奇想天外な話でも独特の生活感があり、テーマは「愛と孤独」とでも言うしかないようなものだったりします。
ネタバレしない範囲で、短編作品のプロットを例としてあげると以下のような具合です。こんな話をどうして次々、考え付き具体化させることが出来るのでしょうか。

「ビアンカの手」
白痴の少女の美しい手に魅せられた男が少女の家に下宿し、やがて結婚。少女に絞め殺されることを望むようになる。

「成熟」
胸腺機能亢進症の青年ロビン・イングリッシュは、さまざまな芸術と創造の才能を持つ天才だが、子供みたいに純粋で才能を金もうけに利用するところはない。しかし、美貌の女性医師がホルモン投与の治療を受けさせるために男性医師のところへ連れて行く。これで子供のようなロビンは、年齢なりに成熟するはずだった。ところが2人の医師に対する心理が変化していきー。

「三の法則」
地球にやってきたエネルギー生命体は、地球人と違い、3つでひとつのカップルとなることが正常だった。エネルギー生命体たちは、それぞれ地球人のなかに侵入し、 3つが1つになるよう誘導していく。

「墓読み」
喧嘩をして家を飛びだし見知らぬ男のスポーツカーで事故にあって死んでしまった妻。妻の墓に刻む文字はなかった。 ところが妻の墓を読ませてくれと声をかけてくる男がいた。男は文字ではなく墓そのものを読むことができるのだという。妻の生前の本心を知りたいと思った旦那は男の申し出を受け入れてー。

「海を失った男」
少年が、ヘリコプターの模型を持って、腕以外はすべて砂に埋もれてしまっている男のそばに来た。男はそれを追い払う。男は海のことを考えていた。

「不思議のひと触れ」
人魚とのデートのため、男は夜の海を泳いできた。待ち合わせ場所で、てっきり相手の人魚だと思い込み、言葉を交わし戯れあう。ところが、相手は人魚ではなく人間の女だった。 女は男の人魚と会いに来たのだという。互いの秘密を打ち明けた二人は共感を覚えて行く。

「影よ、影よ、影の国」
継母から虐待を受けているボビー。ガラスを割った罰としてボビーは部屋に閉じこめられた。おもちゃを全部取り上げられてしまったけれど、ボビーには影絵で遊ぶことができた。そこには影だけが住む別世界があったのだ。

「もうひとりのシーリア」
安アパートに住むスリムは、生まれつき他人の家に潜り込み、中に隠してあるようなものを見る癖があった。別に理由はない。ただ気持ちが落ち着くのだ。 ある日、特に特徴のない女性が同じアパートの上の階に越してきた。さっそく女性の留守中に部屋へ忍びこんだスリムだが、その部屋はまるで空き部屋のように人の住んでいる痕跡がなかった。

「裏庭の神様」
ケネスはどうしても嘘をついてしまう性分だった。結婚してまだ一年だというのに、ケネスの妻は嘘つきの夫に愛想が尽きはじめているようだった。 憂さを晴らすためにケネスは裏庭に蓮池を掘る。そして、自分を神様だという石像を掘り出してしまう。その石像が願いを叶えてくれると言うのだが、性格が悪い神様だった。

「タンディの物語」
四人兄弟の二番目の子供、長女のタンディは5歳にして知的才能を発揮していたが、ギョッとするような人真似をしたり、叫び声をあげたりして、他人を苛立たせる才能にも長けていた。 タンディは汚い人形のブラウニーのため、裏庭に家を造りはじめた。

「閉所愛好症」
クリスの弟ビリーは、クリスのやりたいこと、なりたいものをすべて実現してしまう。何か、面白いことを思い付いて始めてもいつも弟が取り上げて実現してしまう。ビリーは今、宇宙士官候補生となり、将来を約束されている。一方、クリスは実家で、内に籠もりがちの毎日だ。 久しぶりにビリーが帰省した日、クリスの家に新しい下宿人がやって来た。それは、腰が抜けるほどの美女だった。

「雷と薔薇」
様々な国から一気に原子爆弾などを投下され、アメリカは死に瀕していた。わずかな生き残りの人々で暮らすピートのいる基地でも外に出られず、未来もない状況に耐えられず、 精神を病み自殺する者が後を絶たない。
(ごく普通の設定のように思えるが、実は核戦争後の世界という設定で描いた初めての小説らしい。)

「孤独の円盤」
公園を歩いていたこれといって取り柄のない平凡な女に、円盤がまとわりついた。平凡な女が異世界に触れる。円盤は壊れ、回収された。しかし、女は円盤に語りかけられた内容を絶対に話そうとしなかった。
   
   
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