2005/10/28

許されない「ニセ遺骨」黙認  時事問題

今朝のスポニチ 「重村智計 梹謐゙メモ」より

 「日朝対話」が、11月3日から北京で行われる。外交実務者による協議は、およそ1年ぶりだ。町村信孝外相は「正常化交渉の前段階の話し合い」と述べた。だが、今回の対話を必要としたのは北朝鮮の当局者であって、日本ではないという現実を、忘れてはならない。
 政府は、平壌の事情を情報収集しきちんと分析すべきだ。対話が実現したことにホッとして、淡い期待を抱いてはならない。実は、平壌では誰が日朝交渉の指揮を執るのか、まだ決まっていない。
 これまで日朝交渉を担当してきた「ミスターX」グループは、責任を問われ「解任」の危機に直面している。他のグループが、日朝交渉に名乗りを上げているからだ。
 今回の対話で、北朝鮮の担当者は「ニセ遺骨鑑定は、正確でなかった」と日本に認めさせないと、クビになるかもしれない状況にある。横田めぐみさんの「ニセ遺骨」がバレたことから、北朝鮮の担当者たちは責任を問われ、長く厳しい「調査」を受けていた。宋日昊(ソン・イルホ)外務省副局長は、かろうじて復帰したが、まだどうなるかわからない。
 北朝鮮の交渉担当者たちは、「ニセ遺骨」で拉致問題を終わりにできる、と指導者に報告していた。それが失敗したとたん、「日本がウソをついている」「日本の陰謀だ」と言い続けている。そう言わないと、自分たちが責任を問われクビになるからだ。このため、彼らは北朝鮮の首脳部に「ニセ遺骨鑑定のウソを認めさせます」と言って、今回の対話に臨むことになったのである。
 だから、北朝鮮側は「鑑定はウソだ」との論争を、日本側にしかけてくるはずだ。そのうえで、「日本が認めた」と平壌に報告しようとするだろう。
 北朝鮮側と日本政府の一部には、「6カ国協議の共同声明で、日朝の核問題は解決したことにしたい」との意向がうごめいている。そうなると「後は拉致問題だけ適当に片づければ、正常化できる」という考えだ。
 「日朝対話」で、日本は「ニセ遺骨」についての謝罪を北朝鮮にきちんと要求すべきだ。そうでないと、「ニセ遺骨」陰謀を黙認したことになる。
 また、「拉致被害者の帰国なしには正常化できない」との立場を、明確に伝えるべきだ。日本外交は、平壌の中の生き残り競争と主導権争いに、利用されてはならない。(早稲田大学国際教養学部教授)
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