2005/12/3

『ポビーとディンガン』  映画

『ポビーとディンガン』
ー秘密の世界からの疾走ー

空想上の友人がいる少女という風変わりな話を、風変わりなファンタジー作品として描かなかったところがこの作品の良さだろう。この原作小説は、21世紀の『星の王子さま』と評されているそうだけど、僕は『星の王子さま』のようなファンタジー作品とはちょっと違うと思った。炭坑の町というリアルな舞台が背景になっていて、ファンタジー作品なのに、主人公の兄妹は現実のリアルな状況にさらされるからだ。たとえばティム・バートンのように完全なファンタジー世界を描くのではなく、現実の肌触りを背景として、空想僻のある少女の姿を描く。ここでは、主人公の空想癖のある少女はちょっと風変わりかもしれないけど、どこにでもいる普通の少女として描かれているのだ。特別な少女として描かなかったところが素晴らしいと思う。もちろん、自然体で演じる子役、サファイア・ボイスの演技の素晴らしさゆえでもあるのだろうけれども。
そして、兄が妹を救うべく奮闘する姿も(この兄の描き方が『星の王子さま』になぞらえられる理由なのかもしれないけれども)、現実に対して開いていこうとするものだ。妹のために奮闘する兄という構造は、女の子のために男の子が奮闘するフランス映画の名作『禁じられた遊び』を思い出さずにはいられないのだけれども、この映画の2人は『禁じられた遊び』のように秘密の世界に閉じこもってはいないのだ。そこにこそ、『禁じられた遊び』や『ポネット』をこえようとする、この映画のもつ可能性があるのだと思う。

個人的にはたとえばティム・バートンのファンタジー作品よりも好きだと断言できるファンタジー作品です。
0



2006/2/16  0:38

投稿者:purple in sato

コメントありがとうございます!
現代の「お伽噺」に終わらないところが
本作のいいところだったように思えます。
兄妹の自然体の演技。ホント!よかったぁ

http://gaccha-purple.at.webry.info/

2005/12/18  23:02

投稿者:kusukusu

コメントとトラックバック、有難うございます。
僕もファンタジー映画が得意というわけではないん
ですが、これは良かったですね。ファンタジーの部
分とリアルな部分がうまくミックスしていたように
思います。

2005/12/18  22:28

投稿者:あん

ファンタジー・アレルギーのあんも大丈夫、充分楽しみ感動しました。アシュモルはオパールより輝いていましたね。Tb失礼しますね。

http://blog.goo.ne.jp/yumeko3645/

2005/12/4  21:08

投稿者:kusukusu

コメントとトラックバック、有難うございます。
原作を読んでいませんので、どこまでが原作のもの
でどこがカッタネオ監督が考えたものなのかは分か
りませんけれども。
ただ炭坑の町という舞台の演出は、やはりイギリス
映画、ケン・ローチ系の庶民の世界を描いたものと
いう感じがします。そういう世界がファンタジーの
話とミックスしているところが面白いですね。
マイク・リ−監督の『ヴェラ・ドレイク』とともに
イギリス映画の成熟を思わせます。

2005/12/4  17:50

投稿者:Ken

kusukusuさんこんにちは!TBさせていただきました。
仰るとおり、カッタネオ監督らしい庶民の世界だから、ささやかなファンタジーが引き立つような気がしました。
なるほど『禁じられた遊び』、確かに思い出しますね。気づかなかったです。

http://blog.goo.ne.jp/kenkenken_oct/

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ