2006/1/10

水俣病研究交流集会、開かれる  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
水俣病研究交流集会 研究者が成果発表 学園大

 さまざまな立場から水俣病を研究する人々が成果を報告する「水俣病事件研究交流集会」が七日、熊本市の熊本学園大で始まった。八日まで。
 交流集会の前身は、学園大の原田正純教授らの呼び掛けで一九九六(平成八)年に発足し、昨年十年間の活動に幕を降ろした「水俣病事件研究会」。学園大の若手研究者らが趣旨と活動を引き継いでの再出発で、大学教授や学生、患者、医師ら約百人が参加した。
 ジャーナリストの宮澤信雄氏は、九五年の政府解決策と環境省が昨年四月に発表した新対策の柱である総合対策医療事業について「関西訴訟最高裁判決によって、国と熊本県に責任がないという前提は崩れた。にもかかわらず、それを手直ししただけの新対策は許されない」と指摘。
 最高裁判決後の認定申請者でつくる水俣病被害者互助会事務局の谷洋一氏は「申請者には三十代以下も多く、若年化している。認定患者の家族にも未申請者が多い」などと報告した。
 八日は「事件史の再検討」などをテーマにした報告のほか、全体討論もある。(久間孝志)(2006年1月8日、熊本日日新聞)


水俣病 検診方法を統一へ 医師や弁護士ら一致

 水俣病の検診に携わる医師や訴訟にかかわる弁護士らの初会合が九日、熊本市の熊本学園大であり、最低限必要な検診項目を明確にし検診方法の統一を目指すことで一致した。水俣病被害者の早期補償につながると判断した。
 二〇〇四(平成十六)年十月の関西訴訟最高裁判決は、複数症状の組み合わせを条件とする現行の患者認定基準を事実上否定し、感覚障害だけで水俣病と認めた。判決後、認定基準緩和への期待が広がり、熊本、鹿児島両県で三千三百人以上が認定を申請している。しかし環境省は認定基準の見直しを拒否し続けており、これを不満とする申請者団体の水俣病不知火患者会が〇五年十月、大規模な損害賠償請求訴訟を起こした。
 会合は、学園大の原田正純教授がこれまで水俣病にかかわってきた医師や弁護士に参加を呼び掛け実現。国家賠償を求め後に和解した三次訴訟や不知火患者会の弁護団、熊本、鹿児島両県で検診に当たる医師ら二十六人が出席した。
 原田教授らによると、診断書の書式は各医師に任せるものの、最低限必要な検診項目を絞り込み、検診方法を統一することを確認。具体的内容は、関西訴訟のほか二次訴訟の確定判決などをベースに、医師三人、弁護士二人でつくる作業部会で三月までに詰めたいという。
 原田教授は「行政の認定制度が破たんしている以上、被害者は司法に頼らざるを得ない。確定判決を踏まえ統一した検診方法に基づく共通の診断書にすれば、裁判で原告一人ひとりの病像に関する議論が省かれ、早期補償が実現できる」と強調。一方で「司法の基準で十分だとは考えていない。当てはまらない被害者については医学的な調査研究が必要なことは言うまでもなく、今後の課題」としている。
 不知火患者会の弁護団の内川寛事務局長は「共通の診断書は、私たちが目指す司法救済制度においても重要」と、裁判で活用することを明らかにした。(久間孝志)(2006年1月10日、熊本日日新聞)
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