2006/2/11

水俣病懇談会関連記事(2)  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
精神神経学会 「認定基準は誤り」 懇談会委員に見解送付
 日本精神神経学会(理事長・山内俊雄埼玉医科大学長)の倫理関連問題委員会は三日までに、水俣病に関する環境相の私的懇談会委員に対し、「水俣病の認定基準は科学的に誤り」とする同学会の見解を送り、現行の認定基準の問題を公正に議論するよう要請した。
 日本精神神経学会(理事長・山内俊雄埼玉医科大学長)の倫理関連問題委員会は三日までに、水俣病に関する環境相の私的懇談会委員に対し、「水俣病の認定基準は科学的に誤り」とする同学会の見解を送り、現行の認定基準の問題を公正に議論するよう要請した。
 懇談会委員の多くが認定制度をめぐる問題に関心を示していることから、現行基準を明確に否定した同学会の見解が、今後の議論にどう影響するか注目される。
 同学会は、送付先を把握できた懇談会委員七人に、見解を掲載した学会誌の抜粋百十五ページ分を送付。中島豊爾・倫理関連問題委員長、星野征光・水俣病問題小委員長の連名で、「医学の名に全く値しない医師らが過去に行った言動に、環境行政がこれ以上混乱させられることがないよう、公正な討議をお願いしたい」との要請文を同封した。
 同学会は一九九六(平成八)年から、感覚障害だけでは水俣病と認定しない現行基準の妥当性について検討。現行基準が作られた過程の調査や疫学的手法による検討を重ね、九八年九月に「現行基準の医学的根拠となる具体的データは見いだせず、科学的に誤り。高度の有機水銀の暴露を受けた者は感覚障害をもって水俣病と診断できる」とする見解をまとめた。
 中島委員長は「環境省の見解を踏襲するようなことでは、懇談会の本当の役割を果たせないのではないか。科学的な根拠に基づいた公正な議論をお願いしたい」と話している。(亀井宏二)
(熊本日日新聞、2006年2月4日朝刊)

環境相懇談会 「被害救済」と「再発防止」主要論点に
 環境相の私的懇談会「水俣病問題に係る懇談会」(座長・有馬朗人元文部相)は七日、東京・丸の内の東京商工会議所で第八回会合を開いた。今後の主要論点を、水俣病認定申請者が大量滞留している現実を踏まえ謝罪や地域再生の在り方を含めた「被害救済」と、同じ過ちを繰り返さないための「再発防止」の二点に絞り込んだ。残り二回予定する会合で集中的に論議する。
 懇談会設置のきっかけとなった一昨年十月の関西訴訟最高裁判決は、現行の水俣病認定基準より水俣病像を幅広くとらえた。このため、認定申請者が急増し、未処分のまま大量に滞留するという異常事態に発展。各委員からは「この問題を無視したら懇談会の役割を果たしたとは言えない」などの意見が相次ぎ、「被害救済」を主要論点に位置付けた。
 環境省は、懇談会設置前から現行基準を議題にしない方針を強調していた。しかし、委員には現行基準が大量滞留の主因との見方が根強く、懇談会での議論は避けられない状況となった。
 有馬座長は会議冒頭、意見集約の方法と提起すべき問題点について、委員に意見を求めた。各委員は事前に提出していた各自の意見文書に沿い、懇談会として最終的に提起すべきだと考える点などを述べた。
 この中で、委員の多くから認定申請者の大量滞留を念頭に、「公害健康被害補償法に基づく補償制度は破たんしている」「(現行基準は)水俣病と認めない、除外するための条件だ」「環境省の新対策は過去の轍(てつ)を踏みつつある。最高裁判決を踏まえ、反省と謝罪を前提にしているのか疑問だ」などの意見が上がった。
 「再発防止」に関連しては、(1)被害者を支援する行政機関の設置(2)政治決断による危機管理的な規制権限の発動(3)情報の集中と公開(4)水俣病にかかわった行政内部の検証(5)原因者負担の原則では対応しきれない公害を想定した検討などが提案された。さらに、議論の時間延長を求める声も相次いだ。(亀井宏二)
(熊本日日新聞、2006年2月8日朝刊)

環境事務次官 「認定基準議論は懇談会の使命外」
 環境省の炭谷茂事務次官は九日の定例会見で、水俣病問題を検証する環境相の私的懇談会の役割について「水俣病認定基準(の議論)は懇談会の使命とは考えていない」と述べた。
 七日にあった第八回懇談会は、同省が当初から求めていた「再発防止」だけでなく、「被害救済」を今後の主要論点に位置付けることにした。二〇〇四年十月の関西訴訟最高裁判決以降に急増した認定申請者が未処分のまま大量に滞留し、新たな国賠訴訟も提起されたことから、現行の認定基準や補償制度の在り方を疑問視する声が相次いだためだ。
 これに対し、炭谷次官は「懇談会発足の趣旨は再発防止のためにどうすればいいかだ」と強調。懇談会で認定基準を議論すること自体には「状況変化があり、触れざるを得ないだろう」と一定の理解を示したが、「認定基準は専門的だし、長い経緯の積み重ねがあり、最高裁判決でも否定されていない。(現行の)認定基準を前提に対策を進める」と従来からの方針を繰り返した。(亀井宏二)
(熊本日日新聞、2006年2月10日朝刊)
0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ