2006/2/23

薬害肝炎訴訟関連ニュース(1)  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
薬害と闘う25歳素顔 原告の福田さん手記 訴訟結審の22日に出版
 《いつも、何かに行き詰まったり悩んだとき、手帳の片隅に書いた。「It’s now or never(今しかない)」》―。汚染された血液製剤でC型肝炎に感染した患者らが、国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害肝炎九州訴訟」原告の一人、福田衣里子さん(25)=長崎市=が四半世紀の人生をつづった手記を出版する。出版日は、同訴訟が福岡地裁で結審する二十二日。長崎弁を織り交ぜるなど軽妙な文体の中にも、薬害肝炎被害の深刻さを際立たせている。
 題名は「It’s now or never」。昨年五月に出会った出版社代表に執筆を勧められ「自分の立場や人生を記録として残し、少しでも多くの人に思いを伝えることができるのなら」と快諾。高校一年のころからの日記や古いアルバムを基に書き上げた。
 福田さんは生まれた直後に血液製剤を投与され、二十歳のときに受けた検査で感染が判明した。高校時代は空手部。大学時代は三カ月間の欧州一人旅にも出た。《未来は、ものすごく高く、宇宙にまで広がっていた》
 二十二歳のころ、投薬治療を開始した。全身のかゆみ、脱毛、発熱…。心身は徐々にむしばまれた。《こんなはずじゃなかった…。就寝後、声を殺して歯を食いしばる。「あ〜ぁ、ムカツク」。ため息ばっかり》
 一方で、実名の公表後、講演に呼ばれるようになったり、地元長崎の医大生らに支援の輪が広がった。《たくさんの人に支えられて今ここに立っていられる。だから、私は絶対に死なない》。苦悩の中にも、感謝と決意の言葉を記している。
 「苦しんでいる患者は多い。この裁判の意味はとても大きいんです」。福田さんは、結審の日に出版する理由を説明した。
 四六判、二百五十六ページで初版三千部。千五百円。全国の主要書店で発売される。問い合わせは書肆侃侃(しょしかんかん)房=092(735)2802。
(西日本新聞) - 2月17日2時27分更新

薬害肝炎訴訟の原告、4割が差別・偏見体験
 血液製剤「フィブリノゲン」などの投与で、C型肝炎に感染したとして、国と製薬会社に損害賠償を求めた「薬害肝炎訴訟」に絡み、東洋大学と日本福祉大学の研究グループが全国の原告に初の被害実態調査を実施、約4割が「差別・偏見を体験した」と回答していたことが分かった。
 高額な治療費もあわせ、時間の経過とともに体だけでなく、社会的、経済的負担が深まっている実態が浮かび上がった。
 調査は昨年2〜4月に実施。原告74人(当時)にアンケートを行い10〜70歳代の男女62人から回答を得た。
 「差別・偏見を経験したか」との問いに、40%にあたる25人が「実際に体験した」と回答。「血液が付くと機械が使えなくなる、と歯科で治療を拒否された」「入院中、使い捨て食器を使わされた」など、医療機関でも感染について誤解しているケースがあった。「会社の内定を取り消された」「中学生の子供が『うつる』と言われて泣いて帰った」などの偏見もあった。
 「日常生活の不安」で、最も多かったのが「経済的問題」の55%。ウイルスを排除するインターフェロン治療や、民間療法などの治療費700万円以上を自己負担した人が3人。なかには約1000万円を自己負担した人も。高額なインターフェロン治療はできないと答えた人もいた。「生活設計が変わった」と回答した人は40%。内容は「母子感染を考え、次の子供をあきらめた」「病気のため、夫が仕事を転職した」など。
 裁判で求めているものは、「国・製薬会社の責任を明確にする」(94%)、「薬害を繰り返さない」(87%)、「医療費助成の充実・強化」(82%)だった。
 研究グループの片平洌彦(きよひこ)・東洋大教授(保健福祉学)は「医療費の助成、治療法の開発など医療体制の整備だけでなく、感染に対する誤解を解くなど社会的サポートも必要」と指摘している。
 薬害肝炎訴訟は全国5地裁で争われ、原告総数は18日現在で92人。大阪地裁は20日、福岡地裁は22日に結審する。
(読売新聞) - 2月19日3時16分更新

<C型肝炎訴訟>原告29人中13人が先行結審 大阪地裁
 血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、患者らが国と製薬会社の旧「ミドリ十字」(現三菱ウェルファーマ)などに総額約16億円の賠償を求めた薬害C型肝炎訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)であり、原告29人のうち13人が先行して結審した。全国5地裁(原告92人)で係争中の薬害C型肝炎訴訟で結審は初めて。
 薬害エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病に次ぐ大型薬害訴訟。22日には福岡訴訟の原告27人中、18人が結審する。C型肝炎感染者は国内に200万人以上と推定され、感染拡大に関する国の責任を問う訴訟の判決に注目が集まりそうだ。
 この日結審した13人のうち女性12人は、81年8月〜88年5月、出産時の大量出血などに止血剤として「フィブリノゲン」を投与されHCVに感染したと訴えている。男性1人は85年4月、新生児ビタミンK欠乏症のため血液製剤「クリスマシン」を投与され、感染したとしている。
 原告側は「国と三菱ウェルファーマなどは、フィブリノゲンが製造承認された64年までに、研究論文などから肝炎感染の危険性と、感染すれば死亡する可能性を認識していた。治療効果が副作用などの危険性を上回る有用性もなかった」と主張している。米国は77年に肝炎感染の危険性を理由にフィブリノゲンの承認を取り消したが、日本では使用が継続された。国は88年6月、同社に「緊急安全性情報」を配布させ、フィブリノゲンは回収されたが、原告側は「この時期まで感染防止措置を怠り、被害を拡大させた」と訴えている。
 これに対し、被告の国と製薬会社側は「有効性はあり、安全対策も可能な限り実施してきた」と主張している。【前田幹夫】
 ▽薬害C型肝炎訴訟 出産や手術の際に止血剤などとして投与された血液製剤でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、感染者・患者計92人(死亡者含む)が国と製薬会社に賠償を求め、大阪、東京、名古屋、福岡、仙台の5地裁に起こした集団訴訟。HCVは感染者の約7割が持続感染状態となり、慢性肝炎、さらに肝硬変、肝がんに進行する人も多い。訴訟の争点は(1)血液製剤と感染の因果関係(2)血液製剤に治療効果が危険性を上回る「有用性」があったか(3)国と製薬会社は感染の危険性を予見できたのに感染防止措置を怠ったか――など。
 フィブリノゲンは血液中の凝固因子の名称で、旧ミドリ十字は同名の商品を製造していた。
(毎日新聞) - 2月20日13時5分更新

薬害肝炎訴訟、6月判決 大阪地裁、初の結審
 汚染された血液製剤でC型肝炎になったとして、近畿・中四国地方の感染者計29人が国や三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)などに損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)で開かれ、原告のうち20−50代の男女計13人について結審した。
 判決は6月21日に言い渡される。
 弁護団によると、2002年10月以降、全国5地裁に提起された薬害肝炎訴訟で結審は初めて。20日、女性2人が新たに提訴し原告数は全国で計94人となった。
 13人のうち実名を公表した愛媛県の会社員武田せい子さん(55)、大阪府岸和田市の主婦桑田智子さん(46)ら5人が最終意見陳述。桑田さんは「出産する女性に何ら有効性の確認されていない血液製剤を使い、肝炎に感染させたことは母性への冒涜(ぼうとく)と言わざるをえない」と主張。
(共同通信) - 2月20日13時13分更新

薬害C型肝炎の大阪訴訟で結審、判決は6月21日
 血液製剤「フィブリノゲン」などの投与でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、患者らが国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎大阪訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)であり、原告31人のうち13人について結審した。
 全国5地裁で係争中の同様訴訟で結審は初めて。判決期日は6月21日と決まった。
 結審したのは、近畿、中国、四国に住む20〜50歳代の男女。国と旧ミドリ十字の承継会社「三菱ウェルファーマ」(大阪市)など2社に対し、慢性肝炎患者10人が各6600万円、感染者3人が各3300万円の賠償を求めている。
(読売新聞) - 2月20日15時38分更新

薬害肝炎訴訟 6月に判決 大阪地裁で結審
原・被告双方が最終意見
 ウイルスに汚染された血液製剤「フィブリノゲン」の投与でC型肝炎に感染させられたとして、近畿、中四国の患者二十九人が国や三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)などに損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の口頭弁論が二十日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)で開かれ、被告の国側と原告側の双方が最終意見陳述を行い、原告十三人について結審した。判決は六月二十一日に言い渡される。同訴訟が起こされている全国五地裁で初めての結審。
 裁判では、フィブリノゲンは有効だったか▽国は感染の危険性をいつから認識したか−などが最大の争点になった。
 原告側は、昭和五十二年に同製剤が米国で製造承認を取り消されたことなどをあげ、「有効性はなく、感染危険性も熟知していたにもかかわらず、国は何ら規制しなかった」と主張した。
 これに対し国側は「米国での承認取り消しは製剤の有用性を否定したのではなく、別の製剤による治療が可能と判断したため」とし、「六十二年以前は肝炎発生報告は極めて少なかった」と反論した。
 またこの日、五十歳代と六十歳代の女性患者二人が大阪地裁に追加提訴、全国の原告数は九十四人になった。
≪「尊厳と人生奪った」 桑田さん、国の姿勢非難≫
 「フィブリノゲン製剤は女性の尊厳を奪い、人生を奪った」−。ほとんどの原告が匿名で裁判に参加するなか、実名を公表し、被害者の救済を訴え続けた大阪府岸和田市の主婦、桑田智子さん(46)。二十日の意見陳述では、責任を否定する国の姿勢を厳しく非難した。
 桑田さんは昭和六十一年、妊娠三十週目に出血し帝王切開手術を受けた。このとき投与された止血剤がフィブリノゲンだった。わずか一〇〇〇グラムで生まれた長女は四十時間後に亡くなり、自らも知らぬうちにC型肝炎に感染していた。
 この日の法廷では、「死の恐怖に取りつかれ、今にも発狂しそうになりながらカルテ探しに血眼になった」と、感染を知った当初の心境を吐露。「国と製薬会社は日本中に肝炎ウイルスをばらまき、人生を奪い、今もなお被害者を苦しめている」と非難した。
 さらに、「安心して治療が受けられることをすべての患者が望んでいる。国と製薬会社はすべての肝炎患者を救済してください」と改めて早期救済を訴えた。
 結審後、会見した桑田さんは「命の重みを国にわかってほしい。だから、きょうは命を切り捨てないでと訴えたつもりです。被害者が救済される判決を心から期待しています」と語った。
(産経新聞) - 2月20日16時26分更新
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