2006/9/8

日本政府のヨルダン渓谷開発援助計画のナゾ  イスラエルとパレスチナ、中東

*早尾貴紀氏が日本政府のヨルダン渓谷開発援助計画について以下の通り、書いている。

日本政府のヨルダン渓谷開発援助計画のナゾ
http://palestine-heiwa.org/note2/200609060531.htm

*同じ早尾貴紀氏の『「民主的世俗的パレスチナ」・「民主的ユダヤ国家イスラエル」・「二民族共存国家」 ーパレスチナ/イスラエルにおける国家理念の行方』(『現代思想』5月号)にも関連する記述がある。非常に重要な点を指摘されているように思う。

(以下、引用)
 二○○○年からの第二次インティファーダとともに(その火付け役として)政治の表舞台に再登場し、今度のイスラエル総選挙の直前に病に伏して退場した古老アリエル・シャロン(前首相)が、「一方的撤退」という名で知られる政治プランで示したことは、主要入植地を一方的にイスラエル領に取り込み、そこで国境を画定させ、それ以外の残りのパレスチナを切り捨てる、ということだ。これは一国家解決でも二国家解決でもない。西岸地区から最大限のユダヤ人口と土地・資源を効率的に確保し、「ユダヤ人国家」にとっては不純物・障害物となるパレスチナ人を極小化するべく、不効率な部分(=パレスチナ人の密集地)を隔離壁で囲って監獄化しておく、というものだ。そこに和平合意は必要ない。「自分たちは勝手にするし、パレスチナ人も勝手に独立したければすればいい。ただしできるものなら」と言わんばかりだ。イスラエル総選挙は、この「シャロン路線」が承認された選挙であった。もちろん、そのような形で、水源地帯や農地を奪われ、人と物の移動も著しく制限されたパレスチナが、経済的・政治的に独立できる可能性はゼロだ。
 ジャーナリストの小田切拓は、こうした実情から「誰が、いつまでパレスチナを食わせるのだろうか」という問いを立て、現地取材とパレスチナ/イスラエル経済の研究者へのインタビューをもとに、その問いへのありうる答えを冷徹にレポートしている(小田切拓「アリエル・シャロンーかくして、彼は絶大になった。」、『世界』二○○六年四月号)。つまるところ、イスラエルかアラブ諸国か国際社会が支援を注入し続けるしか、パレスチナにはもはや生き残る道はない。だが、イスラエルが今度の選挙で明確にしたのは、どの政党もシャロン路線の踏襲を共通の前提としており、切り捨てられたパレスチナにはもはや関与しない、責任をもたないということであった。そうかと言って、とりわけ西岸地区を隣国ヨルダンに委ねることは、ヨルダンを挟んでイラクを地続きにしてしまうことであり、治安に不安定要因を持ち込みたくないイスラエルにとっては、除外すべき選択肢となる。つまり、ヨルダンとの国境地帯となるヨルダン渓谷地域を緩衝地帯としてイスラエルが保有し、パレスチナを孤島にし続けるのだ。したがって、残された道は、イスラエルの横暴を黙認する国際社会が、その埋め合わせ的に、パレスチナに援助金を投入し続け「食わせてやる」というものだ。しかもそれは、小田切のレポートによると、壁によって隔離された地域にイスラエルが設置した工業団地でパレスチナ人を安価に働かせてやる形をとり、国際的な援助金がそのために使われる、という方向になっていくという。

*関連する前記事
日本が進める「ヨルダン渓谷開発構想」を批判する
http://blue.ap.teacup.com/documentary/835.html
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