2006/10/27

浜野佐知、そしてヤスミン・アハマド  映画

結局、昨日はパトリック・タム監督の新作はあきらめ、東京国際女性映画祭の浜野佐知監督の『こほろぎ嬢』を見にいったのだった。尾崎翠の原作(3編の短編を絡み合わせたもの)をかなり忠実に映画化しているのだという。幻想的な不思議な世界。特にラクダや豚などの動物が出て来るシーンが素晴らしい。イスラエル映画『フォーギヴネス』と2本、続けて幻想的な世界をさまようこととなった。
さらに上映後の質疑応答の後、浜野佐知監督を囲むオフ会にまで参加し、浜野監督、脚本の山崎邦紀氏、そしていろいろな個性的な方々と知り合うことが出来た。楽しかったです。有難うございました。
しかし、ちょっとびっくりしたのは、上映後の質疑応答で、「あなたは観客のことをどのように考えているんでしょうか?」という質問をした観客がいたこと。監督本人を目の前にして、自分の作品に対する感想は何も言わずそういう質問、普通、しますかね・・。
浜野監督は、これは自主製作作品なので自分がやりたいことをやっているので・・とか、うまく答えていたけど。
いろいろな観客がいるものである。

浜野佐知監督は300本(!)もの映画を撮っているお方で、これは世界的にも例がないのではないか? 世界の女性映画監督では最多本数としてギネスブックにのってもおかしくない。しかし、そのほとんどが「ピンク映画」というジャンルのものだという理由で・・日本においてもこの記録が無視されているのだけど。

そして、今日は「アジアの風」部門の、ヤスミン・アハマド監督の『細い目』を鑑賞。3日、続けての東京国際映画祭通い。この『細い目』があまりに素晴らしいので、同じ監督の『ラブン』も続けて鑑賞。

ヤスミン・アハマドという、このマレーシアの女性監督の作品は今回、「アジアの風」部門で4作品上映されている。その内の2本を見ることが出来たわけだが、女トリュフォーとでも言うべき、素晴らしい監督だと思う。
といって、どこがどう凄いのか、とりたてて何か、新しいテクニックの撮り方をしていたり、突出したシーンがあるわけではないので説明しにくいが、とにかくもう、「人生そのもの」の映画を驚くべき形で達成しているのだ。そう、ヤスミン・アハマドはアルノー・デプレシャンとはまた違った形でトリュフォーのような「人生そのものの映画」を達成してしまったのではないだろうか?

ヤスミン・アハマドの4作品にはいずれもオーキッドという女性が出て来る(それぞれ年齢は違うが)。これは監督の妹がモデルで実際にオーキッドという名前であるらしい。この監督は「私は作りごとが出来ない」のだという。つまり、映画で描かれていることはすべて実際に自分の家族や周囲で聞いたエピソードをもとにしているというのだ。そのようにして、トリュフォーのドワネルもののように、ヤスミン・アハマドはオーキッドものをすでに4本も撮ってしまった。プロデューサーからはもうオーキッドものは勘弁してくれと言われているそうだけど、監督本人はまだまだ撮りたい、寅さんのようにオーキッドものを長寿のシリーズにしたいと語るのだ!

ヤスミン・アハマドは映画学校などはいっていないし、映画づくりの勉強をしたわけではないという。作り方が分からなかったから、まず自分が一番、よく知っている家族のことを題材にして撮ったのだという。だが、ユーモアにあふれ、女たちはひたすらたくましく、そしてこの家の両親は初老になっても毎日、夫婦で一緒にお風呂に入りシャワーを浴びるのだ。(実際にヤスミン・アハマドの両親はいくつになっても夫婦で一緒にシャワーを浴びていたのだという!)そして、そのような両親のもとに生まれた娘だからこそ、撮り得たのではないかと思える、たくましき女たち讃歌の、「女ドワネルもの」とでも言うべきオーキッドものを、まるで「男はつらいよ」シリーズのように毎年、撮り続けているというのだ。
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2006/10/31  1:32

投稿者:kusukusu

それから、『こほろぎ嬢』もシネマアトーン下北沢
で上映されることが検討されているようですので、
もしよければ見てみてください。好き嫌いは分かれ
る映画かもしれませんが、動物がいろいろ出てきま
すので、かえるさんには面白いのではないか
と・・。

2006/10/31  1:11

投稿者:kusukusu

どうもです。いや、恋愛映画ですよ、もちろん。
『ガブラ』はよりリアルに現実をつかまえた作品の
ようですね。
ネットで検索して感想を見てみましたが、とにかく
『細い目』をはじめ、この監督の作品は見た人には
大好評です。これだけ評判が良ければまた見る機会
はあると思います。単館ロードショーされてもおか
しくありません。

2006/10/31  0:29

投稿者:かえる

こんばんは。
うーん、傑作な『細い目』も観たかったですー。
ただの恋愛映画ではなかったんですねー。
『ガブラ』のオーキッドもまさに『キングス&クイーン』のノラにかぶる部分がありましたよ。
オーキッドは監督の妹がモデルなんですね。

http://latchodrom.exblog.jp

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