構想10時間
制作費0円
遂に“名作”『まだ夏やのに』がここに完結
あの“懲りないヘラ師”は、まぼろしの“50上”を手にするのか
最後に仕掛けられた“大どんでん返し”
アカデミー賞“ヘラ部門”ノミネート作品
もう、開いた口が塞がらない。
もう、えぇっーてっ
なんで、“続く”にしたんや
2回に分ければ、アクセスカウントが増えるかと思って…
セコーイ
あきらめて、仕掛けを回収。その時ちょうど、“山さん”が休憩から戻って来た。
「かくかくしかじかで…」「へぇー来たんやぁー」『あれっー、その顔信じてない
』
『やっぱり、バラすとアタリが遠くなるなぁー…』3回連続で出たアタリだったが、すっかり気配が無くなった。
『そのうち、戻って来るだろう
』そう考えて、エサ打ちを続けるが、今度は4〜5投に1度の割りで根掛かりする。その度に、何度も何度もハリをくくり直す。ふと、“山さん”の方を見ると、半分あきれ顔だ
「手前に岩があるからね、風と流れでシモッて、どうしてもねぇー…」
タナを3本半に戻す。だが、やっぱり仕掛けが流され、釣りにならない。ウキも仕掛けも軽いし、おまけにタナは深いし、余計だ。それに、あのアタリが忘れられない。再度、床に戻す。
床といっても、空バリの状態では、下バリしか着底していない。段差は12cm。これで、クワセをグルテンにでもしたもんなら、真冬の段差床だ。“まだ夏やのに”。本来の段差床であれば、バラケが溶け、クワセだけになってからのアタリに照準を絞るものだが、今日は両ダンゴ。訳が違う。先程のアタリは、ナジミきって、エサ溶けする前のアタリだった。理由は分からないが、そうなのだ。
この場所、日陰になるのが早い。そろそろ、傘を片付け様かと思っていると、
「もう、傘いらないでしょう
」と“山さん”。
『今やろうと思ってたのにぃー』子供の気持ちが良く分かる。
3時を回って、ダムゲートの上から“黒シャツの男”が声を掛けて来る。「どないですかー?」「マブだけですねー」釣れて来たヘラがチャンベラだったので、遠慮して返事した。「タナ深そうですね」「床ですよ」「そうですか」
「知ってる人
」「全然
」「2番に入ってた人かな
」「2番に入ってた人は白い服だったでしょ
」「あーそやね」釣れない今日は、昼までで帰った人が多い。
“黒シャツの男”はスロープ下に入られた。で、今度は“かっちゃん”が登場。
「お久しぶり」そして決まって最初の第一声は、
「どないですか
」の一言だ。“山さん”が状況を説明する。その後、ステージ下に釣座を構えた“かっちゃん”は“黒シャツの男”と親しげに話しをしている。
『知り合いだったんや、そうか、あの人か、心当たりがある。』
時刻は4時を回った。やっぱり、時々根掛かりする。その度にハリをくくり直す。今日一日で一袋使い切ってしまいそうな勢いだ。それでも、エサ打ちをくり返す。いつしか、風も流れなくなり、湖面は穏やかに。ここで、宙に戻せば、結果は違っていたかもしれない。
そして、久々のいいアタリ

だが、
あ゛っー
声にならない声が宙を切る。
『なんでやねん』
『えーアタリやったのになぁー』残り時間も少なくなって来た。先日、日記に自身のコメントを載せた『昨日、50上釣った夢と、駐禁切られて車ボコボコにされた夢を見ました。どちらが正夢になるのでしょう。』現実になるとは思ってもいないが、3連荘でいいアタリをもらった時には、そこそこのヘラが来るのではと期待したのは事実だ。
時刻は6時を回り、
『今度根掛かりしたら、もう止めよう。』そう思った時、するどいアタリ、今度は乗った。21尺が大きく弧を描く。
『でも、この引きは…』やはり、マブだった。
まだ、チャンスはある。それから間もなくして、またアタリ。すかさず合わす。乗った。が、すぐに根掛かり。
「残念ながら、上がりベラとはなりませんでしたね。」と“山さん”。確かに。
今日みたいな時、名人と呼ばれる様な人はどう対応するんやろうな。自分の未熟さを痛感すると共に、反面、完敗に納得も。
道具を片付けていると“ささやん”からメールが、
『バーベキューの炭も火を起こし、宴会の準備が整いました』『言うよねぇー』
“山さん”“かっちゃん”“黒シャツさん”に、挨拶して、帰路についた。
あっー、おもろかった。

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