2008/2/7

荒野か……。  映画

一夜明け、「わかったよ、やるよ、やりゃあいいんだろやりゃあ」といった刹那的な勢いで早朝せっせとゴミ出しを敢行するに及んで、もはややる気のなさは底をつき、ここから先は浮上するしかないことを察知した。さらに気づいたことにはつまり親の引越しが終わると同時に、飲酒欲と購買欲がどこにも見当たらないのだ。驚くべきことにAMAZONを開く気も楽器屋サイトを開く気もなくなっている。親孝行はしとくもんだ。まあそれだけではなく、アメリカから見たこともないほど巨大な某ボックスが正確に部屋の中央に、でん、と構えていて、いまだビニール包装を開封できないまま、ただ多幸感に満たされているせいかもしれないが。というわけで、午前中から荒れ狂う嵐の海のごとく猛然と残務処理が開始されたのだった。

宮沢章夫さんの日記で久しぶりに思い出した、ハートブレイカーズのプロデューサーとして知られるスピーディー・キーンのバンド、サンダークラップ・ニューマンの『ハリウッドドリーム』を聴き、同じ三人組でもゆらゆら帝国よりこっちのほうがカラフルで好き(と書こうとして最近のゆら帝マキシなど聴いていると、実はちょっと似ている気がしないでもない)だな、とあらためて思いなおせば仕事も捗るのだった。こちらはピート・タウンジェントがプロデューサー。

それでも打合せに出れば、とりあえずその〆に酒くらいは呑む。

でも早く寝て朝からショーン・ペン最新作『イントゥ・ザ・ワイルド』の試写へ。前半の定番的なイメージの連鎖に、またしても失敗作か、と早くも諦めムードに落ち込んでいたが、中盤のヒッピー夫婦との交流あたりから徐々に「映画」としての様相を呈し始め、ヒッピー村で画面の隅っこにいかす白いオルガンが姿を見せているなと思っているとカワイコちゃんとのデュエットへと至る辺りで、よし、と肯くとあとは、これは助演男優賞やれと思わせられたハル・ホルブルックの泣きの演技、いや実は路上に座りこむウィリアム・ハートのスラックス鷲掴みこそが感動的なのかもしれないが、いかにもブンガク的な章立てはいかがなものかとか本来監督としては致命的にカツゲキ性希薄(列車タダ乗りでボコボコにされる場面はちょっとだけ盛り上がったが、所詮北国効果だ)だよな、なペンながらここまでやれば過去最高作と呼んでよかろう、と思えたことはたしか。ま、アメリカにはどうしたって映画になりそうな荒野がいくらでもあってよかったね、というのはコーエン兄弟の場合と同じかもしれないが。

それにしても最近のA賞受賞作家のその後、というのはどうしてこう下品なのか。編集部のスポイルぶりには理解に苦しむ。バカ正直なものしか書けない凡庸な自分を棚に上げて言うのもなんだが。

さて、そろそろゴミ出しの時間だ。本日は資源ゴミ。
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