2009/2/24

平板でつまらなくて最高じゃん!ちぇっ!  映画

池袋シネマロサで『チェ39歳別れの手紙』を。
パート1とは打って変わって、超平板でつまらなくて、素晴らしい。最初は日付や日数のカウントがウザいと思われもしたが、ボリビアに入り、ゲリラになっていく連中が街をうろつきはじめる辺りからなんだかやけに運動が匿名化していき、進むにつれ徒労とともに日付も無効化されるのだった。人物たちの顔もどんどん判別できなくなり、それもまた小気味良い。ゲリラなんだから当然の処理だ。ボリビアの風景もキューバのそれと違ってホントに退屈だ。へたくそな自主映画にも似た、しかしそれとは明らかに一線を画す、こんな洗練されたことをやれるならいつもそうすればいいのに。でもしないってことはこれがたまたまなのか。まあ、ゲバラ逮捕の瞬間となると途端に悪い癖が出るからわかってないのだろうな、とは思う。フライシャー版の超かっちょいいヘリ着陸からの横移動とか、模倣したいのに禁欲しているのではなく、たんにやりたいと思わないのだろうな。銃殺場面にしたってアングル、逆だろう。あそこは「観客にゲバラを殺させ」なければならない。そうやって「自己批判」することによって「世界永久革命は継続される」はずなのだが。まあ、そんな意志はソダーバーグにも誰にもありはしないのだろうけど。とはいえ、こういうのも運命なのだ、ベネトロくんがちょうどいい年齢に達した没後40年の今年、この二部作を世に出したってことだけでもソダーバーグは評価されるべきだ。まさかソダーバーグにアレクセイ・ゲルマンのように大爆発しろなんて言ったって無理に決まってるし。このご時勢にシニシズムに陥ってしまうくらいならこちらのほうがずっと潔いと思う。これまでのバカな活動もこれに免じて帳消しにしてあげたくなった。
ただひとつ、どう判断するか迷うところだが、キューバの旧勢力の処刑を省略したことはいいのか悪いのか。ボリビア軍将校にキューバからの亡命者がいるからそれに代弁させてはいるが、あのフライシャー版における死神のように薄気味の悪いゲバラが、ここでもやはり描かれるべきだったのではないだろうか。

ちなみにネオリベの断末魔のようなアカデミー賞結果については語るべき言葉は見当たらない。六十以上のアカデミー会員はとっとと引退せよ。もちろん日本の関係者たちも。
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