2010/5/2

勝利を!  日常

マルコ・ベロッキオ最新作にして驚異の大傑作『勝利を』にまだ買い手がついていない、という話。あるいは諸般の事情で値段が高いのかもしれない。だが、それにもめげずどちらかが買っていただき、公開していただきたい。昨年のスコリモフスキ旋風と同等の嵐がまちがいなくそこに吹き荒れるはずですから。

映画美学校特別講義に現れた、そのベロッキオ御当人はすこぶるダンディなジェントルマンで、なおかつ我々の質問に対し、御当人の映画の登場人物のごとく叫びとささやきを駆使して熱弁を揮って下さったのだった。「新人監督の場合、技術はしっかりしているのだが俳優の芝居がつまらないことが多い」という的確な指摘を映画美学校の受講生諸君は肝に銘じただろう。

ユーロスペースに行ったら『クロッシング』と『川の底からこんにちは』のお客さんがひしめきあっていた。しかも立ち見というのでぐずぐず迷っていたら、目の前で受付完了。いやはやファーストデイ割引だとは知らなかったし、初日だということも知らずに行ったおれが悪いのだが、ますます小屋から足が遠のく。しかもGWのシブヤなんて異常に殺気と欲望がメエルシュトレエム状態で怖くて歩けない。誰の目も見ないように気をつけながら大急ぎでバス停まで行き、ヒルズへ。スーツとワイシャツ購入。妻と合流、西麻布「いちのや」で鰻。美味。久しぶりのABCまで戻って、古井新刊、ナボコフ『賜物』、『トルーマン・カポーティ』文庫上下、四方田大島、マーヴィン・ゲイ伝記、スライ・ストーン伝記、ライアン・ラーキン『やせっぽちのバラード』と気前良く買い漁り。

そうしていよいよ『第9地区』を見たわけだが、アカデミー受賞監督ピーター・ジャクソンが先輩と後輩の間で偶然か話し合いの結果か知らないが、『アバター』と『ハートロッカー』を足して二で割ったようなブラックコメディを作っていたね、という感想がごく自然に出てくるもので、はやりもののドキュメンタリータッチはべつに珍しくもないしご不満の向きも多いでしょうが、後半だんだん気忙しいレオーネみたいな活劇になってきてからは単純に笑いつついいんじゃないか、と私は同意した。特に天才少年蝦の活躍には心温まった。蝦なのにクリストファーがサミュエル・L・ジャクソンに見えてしょうがなかった。SJ、どっかで赤いちゃんちゃんこ着てコンピューターいじっていた記憶が。

かくして今年のGWも終わってしまった。今週は毎日仕事だ。仕方ない。貧乏暇無し。
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