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2008/10/23

タッチ オブ イヴィル:初見  遊戯

実写を用いたデザインやオリジナルサウンドトラック同梱など独自のホラーゲーム製作を行っている新星フライング・フロッグ・プロダクションの新作『タッチ オブ イヴィル(A Touch of Evil)』をアメリカから入手した。しばらくは遊ぶ機会がないため一人でルールを読んでみる。分量(28ページ)の割にはさほど複雑ではないものの、ややわかりにくい部分もあるためソロプレイで動かしてみた。

タッチ オブ イヴィルBGG

◆概要と準備
「19世紀初頭、アメリカ(多分)の片田舎シャドウブルックの町は邪悪な「怪物」の脅威に晒されていた。いま、ヒーローたちが「怪物」との戦いに挑む。」前作『ラスト ナイト〜』はB級ゾンビホラーを再現していたが、今回はやや趣向を変えて、クラシックホラーあるいはゴシックホラーテイストとなっている(映画だと『スリーピーホロウ』や『グリムブラザーズ』かな?)。カードは前作同様に実写を用いた臨場感あるデザインだが、ゲームボードは羊皮紙に描かれた地図のような色彩を抑えた渋いデザインとなっている。

ゲームの目的は、町を脅かす「怪物」を倒すことだ。強力な「怪物」に対抗するため、ヒーローたちは情報やアイテムを求めて町とその近郊を探索することになる。だが愚図愚図していると闇の影響が強まって「怪物」が強化され、シャドウトラックが0になるとヒーロー側の完全敗北となってしまう。ゲームのタイプとして、先に「怪物」を倒したプレイヤーの勝利となる「競争ゲーム」と、一致団結して「怪物」を倒す「協力ゲーム」とがある。ソロプレイのルールはないが、プレイヤー1名の協力ゲームとして動かしてみた(ただし秘密カードの調査コストは初期値2とした)。

このゲーム、カードの種類が多め。以下に簡単にまとめる。

町の重鎮[Town Elder]:ヒーローに協力してくれる6人の重鎮たち。秘密カードによって敵に寝返ることもある。このゲームのひとつの肝。
イベント[Event]:ヒーローに有利な効果を持つ。町などで引ける。
ミステリー[Mystery]:ヒーローに不利な効果を持つ。毎ラウンド最低1枚は引かれる。
拠点(4種)[Location]:ボードの四隅にある重要拠点(邸宅[The Manor]、風車[Windmill]、古森[Olde Woods]、廃砦[Abandoned Keep])に対応した各20枚のデッキ。アイテムや仲間や情報だったり、敵や悪いイベントだったりする。
秘密[Secrets]:町の重鎮たちが抱える秘密。これを探っておかないと「怪物」との決戦で痛い目を見るかもしれない。
ねぐら[Lair]:「怪物」の居場所を示すカード。決戦を挑むときに取得していなければならない。ランダムで場所を決めるときにも使用する。
町アイテム[Town Item]:町の鍛冶屋で買えるアイテム。常に公開されている。
ワーウルフの呪い[Curse of the Werewolf]:ヒーローのワーウルフ化を示すカード。上級ルールのみ。

とまあ結構ややこしそうなのだが、ほとんどのカードは即座に公開されるため個人で抱えねばならない情報量はそれほど多くない(秘密、イベント、ねぐら程度)。

またこのゲームでは、「怪物」の手がかり・集めた情報・通貨・ヒーローの活力・敵を倒した経験点などがすべて調査マーカー[Investigation marker](以下IM)というリソースに統一されている。「怪物」の居場所を突き止めるにも、重鎮の秘密を探るにも、アイテムを買うにも、傷を癒すにもIMを消費すればよい。これはルールを非常に簡便にしており、行動の選択や指針に統一感を与えている。

ランダムで選んだところ、ヒーローは「教師アン・マリー」(ヒロインですけどね)、「怪物」はワーウルフとなった。アン・マリーは基本戦闘力が弱いうえに「細腕」で拳銃以外の銃器を扱えないが、「知識は力」ってことで本1冊所持につき戦闘スキル+2だ!(絶対間違ってるw)。基本ルールのワーウルフは戦闘能力が強い(普通は戦闘ダイス5-6で1ヒットのところを4-5-6でヒットする)ってだけだが先生1人では到底倒せそうにない。そんな感じでいよいよゲーム開始である。

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【初期配置が終わったところ】

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【知識は力!】


◆ソロプレイ
さて、ボード中央の町役場に立つアン先生、まずはどうするか……やはり「本」ですわ。町アイテムを見ると本が2冊売られているが、コストは合計10IM。まずはIMを集めねばならない。ついでに邸宅を探せば本があるかもしれませんわ。というわけで知識欲の鬼ことアン先生は郊外の邸宅を目指す。

プレイヤーのターンがすべて終わるとミステリー・フェイズとなり、ミステリーカードが引かれるうえに協力ゲームではダイスによる追加イベントが発生する。ところが最初の数ラウンド連続で5-6を振り、そこかしこに手がかりがばら撒かれるという有利な展開に。アン先生は無事邸宅に辿りついた。そこでめくった最初の拠点カードがなんと「医療書」!これはいける!

町に戻ったアン先生は集めたIMで鍛冶屋から2冊の本を購入し、これで戦闘スキルは8!ついでに「町の歴史書」効果で秘密を探るコストが1下がったので重鎮たちの裏を探り始めた。まずワーウルフとの戦闘に有利なクロフト行政官の秘密を拝見……「知りすぎた[Knows Too Much]:D6点のIMとイベントカード2枚を得る。この重鎮はおぞましい方法で殺される。」……クロフトさん死んじゃいました……情報をありがとう(合掌)。挫けずに、戦闘全般に強いハンブルック卿の秘密を聞き込み……「闇の従者[Servant of Darkness]:この重鎮は邪悪側を表にして「怪物」に加わる。」……ワーウルフの手下でした……結局、大した秘密を抱えてなかった医者のマニング先生とハンブルック夫人を決戦時の仲間にする目星をつけたアン先生であった(決戦に参加させられる重鎮は2名まで)。

ゲームの進行につれて、ボード上にワーウルフの手先である人狼がうろつきはじめた。戦闘ルールはお互いの戦闘スキル分D6を振って5-6が出た数だけダメージを与え合うというノーガード対決なので、無駄な戦闘をして負傷したくない。人狼を倒せばIMを3点貰えるが、期待値で1.5ダメージを受けてしまう。通常1点の負傷回復に3IMかかるので割に合わない。とはいえ、進路を妨害している敵は排除せねばならないので2〜3匹の人狼を倒しつつ進み、負傷は医者や医療書やイベントカードでなんとかする。それよりも途中、悪の親玉であるワーウルフが突然殴ってくることが2度あって非常にやばかった。戦闘で敗れても次のラウンドには復活してこられるのだが、ウィザードリィみたくアイテムを失う危険があり、戦闘力が蔵書頼みのアン先生にとっては死も同然だ。

そうこうしているうちにシャドウトラックが進行し、ワーウルフもいい具合にパワーアップしてきた。潮時である。ワーウルフが古森にいることを突き止めた(=ねぐらカードを買った)アン先生は、3冊の凶器、イベントカード数枚を持ち、マニング先生とハンブルック夫人(よく考えたら夫婦対決だな)を引き連れて最後の決戦に挑んだ

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【初期戦闘スキル5の負傷ポイント5が、7の11へと強化】

第1戦闘ラウンドにイベントカードを注ぎ込み、ダイス目も走って5ヒットを与えた!防御重視の重鎮パワーによってこちらの負傷はほとんどない。そのまま押し込んで3ラウンド目にワーウルフを撃破した。新任教師アン・マリーの活躍によって、シャドウブルックの町に再び平穏が訪れた。先生がワーウルフを殴り倒したとされる3冊の本は伝説の武具として町の歴史に長く語り継がれるのであった。


◆所感
迫り来る脅威に対抗しつつ最終的にラスボスを倒して勝利という構図自体に目新しさはないが、町の重鎮というNPC(ノンプレイヤーキャラクター)にランダムな秘密を付与することによって揺らぎや裏切り要素を加え、競争ゲームでも協力ゲームでも機能するようにしたアイデアは評価に値する。ゲーム全体のバランスもよさそうだ。

実写を多用したコンポーネントの雰囲気は相変わらず素晴らしい。付属のサントラは何となくまだ聴いてませんけど。

1回ソロでやっただけなので使ったカードの枚数は微々たるものだ。豊富なカードによる豊富な展開が売りであろうからには、もう少し遊ばねば評価は定まらない。そしておそらく前作に続いて拡張セットが出るだろうなあ、これは。
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