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2008/12/25

薔薇の名前:迷えるキリスト者に導きの光を与えよ  遊戯

イエス・キリスト生誕日という今日の善き日に、これまであれやこれやと当ブログで(事前情報だけで)プッシュしてきた『薔薇の名前』のプレイレビューを掲載できることを神に感謝いたします。アーメン。【※12/26:若干修正しました】

薔薇の名前BGG

『薔薇の名前』ファン、フェルド愛好家、ボドゲフリークの皆様、お待たせしました。ようやく遊べましたので紹介します。これまでの記事は↓こちら。
プレビュー
インタビュー
動画
エッセンレポ
入手

連続殺人が起こる修道院で、密かに自分が担当する修道僧に疑いがかからないように暗闘する正体隠蔽型ゲーム。2〜5人用。おおまかなルールは上の「エッセンレポ」記事を参照していただきたい。コンポーネントの雰囲気は抜群で小説や映画を知っていると軽く興奮できるほどだが、「連続殺人」は背景設定に過ぎない。プレイヤーが担当する修道僧が途中で殺されることはないからだ。

12月23日の自宅ゲーム会にて、ムラタさん、カツキさん、クミちゃん、相方と5人で。何だか女子ばかりで修道院的雰囲気じゃないけど。ちなみに原作を読んだことがあるのはカツキさんと私だけ。ルール説明を終えても皆いまいちよくわかってない様子だったが、とにかく事件の幕は上がった。ちなみに私の担当はオレンジ。

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【ゲーム開始時の盤面】

序盤:要領を得ないまま手探りで修道僧を動かす面々。女性陣は修道僧に疑わしい行動を取らせてばかり(修道僧と異なる色の作業マーカーがある建物に移動する)だったが、私は日課をやらせて(同色の作業マーカーがある建物に移動)作業マーカーを集める方針をとった。このマーカーによってカードの時間コストを削減できる。第1日目のイベントは「禁制」で、書庫に移動した修道僧は確証ポイント(最終的にこのポイントが最も少ない修道僧の担当プレイヤーが勝利する)を+2点される。ああ、実に原作っぽい

中盤:一日が終了すると、その日の疑惑ポイント(基本的に修道僧の移動によって上下する)の順位によって確証ポイントが0〜5点増加する。中盤になっても皆が適度にバランスを取りながら修道僧に疑いをかけていくため、さほど差はつかなかった。また、カードの時間コストを払って一日を終了させたプレイヤーは当日のイベントタイルを取らねばならず、これはゲーム終了時に確証ポイント+2点のペナルティとなる。巡り合わせが悪かったカツキさんが4日目まで連続でイベントタイルゲット。まだまだ手探り状態は続いていたが、奇数日終了時に「暴露」フェイズがあり、自分の正体とは異なる色タイルを自分の前に公開することで各プレイヤーの正体が徐々に明らかになっていく。このときどの色を公開するかが終盤に向けて重要な要素となってくる。

終盤:ゲーム終了が間近となり、自分が担当する修道僧の位置取りを強烈に意識することになる。とはいえ2点3点の瀬戸際であまり露骨に動くと、最後の正体当てによるペナルティで簡単にひっくり返されてしまう。悩ましい、恐ろしい。異端審問はいやだ〜。最終日(第6日目)のイベントは「推理」。通常一日の終わりに行う疑惑確証の変換が、ウィリアムとアドソが同じ建物に揃うたびに発生するという脅威の効果を持つ。ウィリアムさん、そんな最終日になって活躍しはじめなくていいから。ああ〜、せっかくいい位置につけてた私のオレンジの順位が上げられていく〜。最終的に青がやや突出し、残りは1〜2点差という団子になった状態で6日目を終えた。

審問:他のプレイヤーの正体を推理し、手持ちの色タイルを相手の前に置いていく。5人プレイなので1人の前に4枚のタイルが集まることになり、自分の色と一致するタイル1枚につき確証ポイントが+3される。ムラタさんが3枚当てられて+9点、残りの4人は2枚当たりで+6点となった。さらにイベントタイル1枚につき+2点となり、カツキさんが+8!相方とクミちゃんが+2ずつ。私のオレンジは序盤で疑いをかけられまくったおかげで終盤はマークを外し、何とか確証ポイント最下位に位置して勝利した。連続殺人の犯人として審問にかけられたのはムラタさんの青修道僧。序盤から目立ったのが大きなマイナスとなった。アーメン。

懺悔いたします。正直なところ、ゲームが始まった当初の要領を得ない手探り状態にはいまいち感が拭えませんでした。他のプレイヤーももやもやしたまま適当にプレイしている有様で、いままで期待を高めつつブログで紹介してきた自分こそ悪なのではないかという考えすらチラと頭をかすめました。しかし、ああ赦し給え、そんな不安と焦燥ですら、すべてはフェルド師の取り計らったデザインの賜物であったのだと気付くのはゲームも終盤になってからのことでした。これは何のゲームであるのか?殺人容疑を免れるために疑心暗鬼に囚われながら保身に走り他人を陥れる修道僧を体験するゲームです。そうであれば、疑いと不安に駆られる修道僧の心理を再現するためにシステム的な楽しさやわかりやすさを抑えることとてデザインの妙であると理解できましょう。日が進むにつれ、事件のみならずゲーム展開の上にもかかっていた重たい霧が徐々に晴れていくのを如実に実感できたのです。光は闇の中にこそあるものなれ。終盤に訪れるギリギリの駆け引きに、最後に行われる正体推理のカタルシスに、序盤は頭にもやがかかったようだった他のプレイヤーたちも生気を取り戻して楽しんでおりました。ゲームシステムのみに着目したとき、このゲームはまあまあの及第点を得るに過ぎないものでしょう。しかしながら、テーマに沿ったゲーム展開やプレイヤーの心理にも考察を巡らす者ならば、まさに『薔薇の名前』を冠するに相応しいゲームであると評するに吝かではなかろうと思えるのです。エーコ師とフェルド師とラヴェンスバーガーに感謝を。

悔い改めよ。
クリックすると元のサイズで表示しますほんと正直なところ「ちょっと駄目かも」と思ってしまった。結果的には非常に満足してるが。
さんざんプッシュしてきたからには無下にはできませんよね!
クリックすると元のサイズで表示しますおまえ口悪すぎ。別に無理やり褒めてるわけじゃないよ。
でもゲーム的には普通の出来なんでしょ?
クリックすると元のサイズで表示します推理ゲームなのにメモを使わなくても済むようにしたシステムなどはよく考えられているけど、正体隠蔽型ゲームとしてはさほど目新しいわけでもないね。このゲームが大好きかどうかはプレイヤーの予備知識とテーマに没頭できるプレイ姿勢とにかかっていると思う。
万人向けの傑作にはほど遠いと。
クリックすると元のサイズで表示しますまあ確かにそうかもしれないが、それを言ったら原作もそんな感じじゃないかと。ある意味素晴らしい再現度。それに傑作は言い過ぎにしたって、原作を知らないプレイヤーたちも最後は充分に楽しんでいたのは確かだ。
というわけで、『薔薇の名前』ファンには本当にお勧めだそうです。
クリックすると元のサイズで表示します普通の人にも充分にお勧めできますよ、アーメン。
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