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2010/7/26

豚小屋:踊ってしくじる大捜査  遊戯

豚小屋BGG

ドイツのゲームショップからのDMで紹介されていたのが面白そうだったので買ってみた。デザイナーは『大聖堂』や『キューバ』でお馴染ミハエル・リーネック。実はリーネックのゲームは今回が初プレイだった。ドイツでベストセラーとなっている推理小説が原作とのことだが、どんな小説なのかはよくわからない。ルールもドイツ語しかないため、Google先生に訳してもらってゲームの流れをなんとか概ね理解した。よって今回のプレイにはルール間違いの可能性が多分にあります。


豚小屋で死体が見つかった。警察は殺人の可能性が高いとして捜査を開始した。プレイヤーは捜査官となって犯人を推理し、8人の容疑者の身辺を洗う。2〜4人用。

プレイヤーの手元には犯人の性別(男・女)、殺害の動機(4種類)、犯人(8人)、事故死(誰も犯人に該当しない場合)を示す推理マーカー15枚があり、ゲーム開始時に任意の3枚を伏せて自分の犯人推理とする。この3枚と残りのマーカーをゲーム中に交換するチャンスはあるが、ゲーム進行にしたがって残りのマーカーは徐々に廃棄されていく。最終的に決定された犯人の情報と合致するマーカーによって得点し、合計点が高いプレイヤーの勝利。『クルー』のように最初から犯人の情報が決まっているのではなく、プレイを通じて犯人が決まるようにできている。

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【手前に伏せた3枚のマーカーが犯人推理の内容でその左が証拠品、右がしくじりと義務マーカー】

各プレイヤーの手番には手札3枚の捜査カードから1枚を使用する。捜査カードは以下の4種類。
・動機:4種類の動機が男女別で8枚。指定された動機を指定された性別でまだ動機が確定していない任意の人物タイルの上に置く。
・アリバイ:8箇所のスポットで8枚。指定されたスポットにまだアリバイが確定していない任意の人物タイルを置く。
・目撃証言/アクション:スポットごとに男女2種類で16枚。目撃証言として、指定されたスポットに指定された性別チップを置く。すでに性別チップが置かれている場合、アクションを行うことができる。
・ローデンバッハー:4枚。アクションを行う。
全36枚のカードはゲーム終了時までにすべて使い切るようになっている。ゲームを進めていくと各容疑者についてアリバイ、動機、目撃情報が明らかになっていく。目撃情報と性別が食い違っている容疑者が犯人候補となる。

捜査カードで行えるアクションは以下の4種類。
・資料調査:自分が伏せた推理マーカー1枚を残りのマーカーと入れ替える。
・捜査会議:他のプレイヤーが持っている証拠品を1枚見る。
・研究所:研究所に積まれた証拠品の一番上を見て一番下に入れる。
・礼拝堂:自分のしくじりマーカーを1枚廃棄する。
各アクションを行える総数は決まっているため、やりたいアクションは早めに取る必要がある。

8人の容疑者に対応する8種類の証拠品があり、各プレイヤーはゲーム開始時に1枚ずつ持っている。プレイヤーの手元にある証拠品に対応する容疑者は犯人ではない。残りは研究所に積まれており、この中の証拠品が犯人を確定する可能性を持つ。

また、各プレイヤーはしくじり(フェットナップ)マーカー(ゲーム終了時に−2点)と義務マーカーを持っている。後者は、他のプレイヤーが捜査カードを使用した時に使うことができる。義務マーカーを使われたプレイヤーは、自分が使おうとした捜査カードを相手に使わせるか、自分が使ったうえで義務マーカーを裏返してしくじりマーカーとして受け取るかを選択する。

すべてのカードを使い切り、各プレイヤーの推理マーカー3枚が確定したのち、研究所の証拠品を上から順にめくる。対応する容疑者が性別の食い違い状態になっていたら犯人確定、そうでなければ次の証拠品をめくる。誰も確定しなければ事故死だったという結論になる。推理マーカーで犯人(もしくは事故死)を当てていれば9点、動機が5点、性別が3点となり、しくじり1枚につき−2点を合計して最も多いプレイヤーの勝利。

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【手前のでこぼこが8つのアリバイスポットで向こう側に並んでる8人の容疑者をセットする】

RYO、ナッチ、マッチと4人にて。『クルー』タイプではなくプレイヤーによる情報絞り込みタイプということで、『殺人の追憶』のソン・ガンホみたいに犯人をでっちあげる悪徳刑事ゲームになるかと思っていたが、実際にやってみると犯人に辿り着くための手掛かりが少ないなかでひとつひとつ情報を足で稼ぐ泥臭い凡人捜査官の気分になった。誰かを犯人に仕立て上げようとしても、他のプレイヤーが証拠品を握っていたらアウトだし、研究所の証拠品を見るのは有効だが山の一番下に戻すので犯人確定の優先順位が下がるというジレンマがある。推理マーカーの選択で待ちを増やすか一点掛けするかにも関わってくるが、捜査カードの引きが重要なのは間違いない。ゲーム終了時、アリバイに疑いのある容疑者は5人もいたが、研究所の証拠品と合致した容疑者はただ1人(つまり他の4人はプレイヤーが証拠品を握っていた)。すべての要素を的中させたナッチがトップ、性別だけ当てたRYOとマッチが2位、私は……

かなりカッチリとしたシステムの上で右往左往させられている感もあるが、各自の推理を競う一方で全員が協力して事件を追っている雰囲気もあり、最後まで犯人が明確にならず緊張が持続する仕組みもうまくできている。最初の推理で考え込んでしまう人がいるかもしれないが、ゲーム中に長考する必要はほとんどなく、1時間弱で自然に収束するバランスも評価したい。コンポーネントの質も良い。探偵ものでなく警察ものの推理系ゲームとして、なかなか面白い作品に仕上がっていると思った。カードや義務マーカーなどにドイツ語のテキストがかなり多く含まれているが、ルールさえ把握すればドイツ語を理解する必要はまったくない。ただし雰囲気を盛り上げるためにも容疑者の名前と職業、各スポットの名称、4種類の動機くらいは日本語化したほうがよいかもしれない。もちろん原作小説を知っていればより楽しめるに違いない。


ところでミハエル・リーネック作品のラインナップに新たな原作付ボードゲームが予告されているのだが、仮にゲームの出来がいまいちだったとしても絶対に看過できない。『薔薇の名前』よりも期待値高し。
だってこれ↓ですよ、これ!



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2010/8/4  1:23

投稿者:ぐんま

あ、「和訳はされてない」とは、「和訳された本は出版されてなさそう」ということです。
なんか変な書き方になったので自己補足させていただきます。

日本のamazonにも「Milchgeld(黄金のミルク?)」という原作本と思われる洋書があるのですが、ドイツ語のみみたいで厳しいですね(汗)

2010/8/4  0:30

投稿者:hirocean

ぐんまさん初めまして。コメントありがとうございます。

捜査官のキャラクターを設定しつつ遊ぶとより楽しそうです。そういう意味では原作理解が大事なんでしょうが、Google先生も万能じゃないのでルールブックやコンポーネントのフレーバーテキストは無視せざるを得ず。

2010/8/3  13:09

投稿者:ぐんま

初めまして!
この作品は気になっていましたので、詳細な紹介があって嬉しいです。

捜査をしている雰囲気があるうえ、相手プレイヤーと絡みもあるとのことで面白そうですね!

原作も「地方を舞台にしたコミカルな推理小説」とのことで読んでみたいのですが、どうやら和訳はされてないみたいですね。残念。

http://gunture.blog3.fc2.com/

2010/7/29  2:13

投稿者:hirocean

なかなかいいっすよ。日本の刑事モノに置き換えるなら昼枠ドラマの感じですかね。

2010/7/28  12:14

投稿者:オビ湾

豚小屋のほうもいいじゃないすか。

2010/7/27  22:56

投稿者:hirocean

指輪に匹敵するビッグタイトルですよね。
今後も情報を追っていく所存です。

2010/7/27  8:29

投稿者:あきお

こ、このパッケージは!?
訳してみたら、名付け親。
リーネックかあ! 鬼門でもこれは買わんといかんなあ。

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