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2010/8/11

夏のまんが祭り2010  趣味

観たいアニメ映画がいくつもあったので新宿バルト9で一気に3本観た。簡単に感想など。

◆トイ・ストーリー3
これ以外ない、これ以上ないとしか言いようのない完結編。最後はそう決着させるしかないよな〜と納得しつつ、ラストのウッディの選択とアンディの決断に涙が止まらない。あとボニーが可愛すぎる。1、2から引き続き完璧な脚本と演出で、最近までこのシリーズをスルーしていたことを恥じた(でも3を観たらやっぱり2のプロスペクター可哀想という思いが増したけど)。3部作のDVDセットが出たら買わざるを得ない。そのうち娘と一緒に観たいけどオモチャが捨てられなくなりそうだ。時間の都合上3D吹替版で観たのだが、実はこれが初3Dだった。最初こそ自然な立体感にちょっと感動したが5分で慣れた。むしろ画面が暗くなるので2Dでいい気がする。吹替はもう勘弁。唐沢さんはまだしも所さんはあれだけ声優やってさっぱり上手くならないんだから今後使うのやめてよ、映画業界の人たち。誰も得しないでしょ。

◆借り暮らしのアリエッティ
原作は未読なので歯切れが悪くなるが、わざわざ映画にする意味はなんだろうね。短くまとめてテーマを抽出するのか、静的な小説に動きを与えるのか、映像というリアリティを付け加えるのか。どれも当てはまってそうだけど中途半端という印象。特に残念だったのは映像の点で、小人が人間の家を巨大なダンジョンのように探索する様子にはわくわくしたし、ディテール描写はさすがジブリと思ったが、小人と人間の対比がもうひとつ。もっと小人視点での人間の巨大さや空間の広大さを見せつけて、小人になった感覚を味あわせてほしかった(音では表現している部分もある)。動物の描写に比べて虫がキッズアニメ調だったのも残念。腐海の蟲っぽいゴッキーと死闘を繰り広げてこそのジブリじゃないの?ここのところのジブリは観客がいろいろと汲んだほうがいい作品続きで、それが悪いとは言わないが個人的にはもう一度ラピュタや豚みたいなのが観たい。でもOK。ジョゼットにもう一度会えたから。WPJ3出ねえかなあ。

◆ヒックとドラゴン
以前観たドリームワークス作品『カンフー・パンダ』と比較すると、細かい伏線の回収やギャグが減ってストレートな物語になっている。主人公ヒックの設定(貧弱な技術系で父子家庭)や展開はむしろ『くもりときどきミートボール』にそっくりだ。脚本の巧みさや映像の意外性という点ではパンダやミートボールのほうが上かもしれないが、飛行描写やドッグファイト、ドラゴンのキュートな演出などは素晴らしい。もうちょっと各種ドラゴンの特徴をストーリーに活かしてくれるとよかった。褒める人が多いラストのちょっと衝撃的な展開には確かに驚いたが、本編のリアリティラインを現実より下げ気味にしといてあれはちょいズルい気もする。個人的にはパンダのほうが好きだが、甲乙つけがたい名作。やはり時間の問題で2D吹替しか選択肢がなかったのだが、トイ・ストーリーよりもこちらを3Dで観るべきだったかもしれない。吹替は特に違和感なかった。

と書きはしたものの、『ヒックとドラゴン』はまだちゃんと観きれてない感じがする。もう一度3Dで見直すかな。

【8/16追記】※思いっきりネタばれなので『ヒックとドラゴン』未見の人は読んじゃダメ
【9/22さらに追記】

『ヒックとドラゴン』を見直したわけじゃないけど、どうもこの映画のラストに素直に感動できないモヤモヤが残ったので週末かけて考えてみた。

表面だけを見れば、少年とドラゴンの心の交流を通じて、殺しあってきた二者が平和に共存するようになってめでたしめでたしの物語。アクションも演出もちょっとしたギャグもよくできていて文句なしというところ。

一段階深読みすれば、実はシビアな異文化共生の物語。最後に失われるヒックの左足はトゥースが失った左尾鰭と対応しており、真の和解・共生とは両者に同じ傷と痛みを強いるものだという(子供向けアニメにしては)強烈なメッセージを含んでいる。「よくこの展開を入れたなドリームワークス!」という称賛の声には私も賛同したい。

しかし、もう一段深読みするなら、これは真の共生なのか?和解に至るブレイクスルーがラスボス的な巨大ドラゴンを殺すことで良かったのか?という疑問が拭い去れない。そもそもドラゴンに共感して殺せなかった主人公が、最後はなぜためらいもなく巨大ドラゴンを倒す流れに進んだのか。展開の勢いと空中戦の迫力に誤魔化されていたが、でかくて悪そうなら殺していいのか。ドラゴンたちは働き蜂のように巨大ドラゴンに奉仕し、運が悪ければ直接食われるという描写はあった。その境遇に比べればバイキングと共生したほうが幸せそうに思えるし、そう描かれている。でもそれってさ、「文明社会」から見た「未開社会」の“不合理な”土着信仰とか因習とか迷信とかを上から“解放”してやって「文明社会」のやり方を受け入れれば幸福だって言ってるのと同じじゃないの?あの結末がドラゴンたちにとっての真の幸福だと誰に保証できるのか。単に別の境遇の奴隷になったようにしか見えなくて、どうもすっきりしなかったのだと思う。

そう考えると非常に惜しい。ラスボスがドラゴンたちにとって完全な災厄だと言い切れる設定であれば納得できた。その上で、ドラゴンとバイキングがもう少しお互いに離れた立ち位置を維持しつつ交流できるラストだったら100点満点だったのに。アメリカ的な物語の制限を一部では突破した記念すべき作品ではあるが、やはりまだ壁は厚い。

【9/22追記分】
いつの間にか新宿ピカデリーで上映終了してたのを知ったときには3Dを見逃したとほぞを噛んだが、評判が良かったためかロングランが決まり、丸の内ルーブルで3D鑑賞できた。正直膨らみすぎた期待ほどの迫力はなかったものの、この映画は3Dで観るべき。やはり飛行描写が素晴らしい。上であれこれ不満を述べた点に関しては、もう一度観てみたらあまり気にならなかった。重箱の隅をつつけば疑問がないこともない程度の話で、ラスボスの描写と最終戦に雪崩れ込む展開とで流せる。そもそもラスボスに躊躇なく戦いを挑むドラゴンたちもいるわけだから、未開社会の因習云々は穿ち過ぎという気もした。というわけで『カンフー・パンダ』と同列の名作として再評価したい。ただ別のところで気になる部分は一回目からあって、ヒックが裏技を使い始める前のドラゴン訓練シーンでルーキーたち油断しすぎ。「命の危険がある訓練なんだから真面目にやれよ!」と怒鳴りつけてやりたくなるくらい油断しすぎなのがちょっと嫌だ。
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2010/8/13  13:52

投稿者:hirocean

そうなんですよ。アバターも観ないでなんですが、3Dはメインストリーム化しないような気がします。メガネ無しで普通に観られるようになったらあるいは。
私は絶対字幕ってわけでもなく、翻訳と声優が普通に仕事してくれてれば吹替でも気にしない程度のヌルさです。会話劇みたいな吹替のほうがいい映画ってのもありますし。
踊る監督のセリフには笑いました。あなたの「映画」(少林少女とかOD3とか)は“映画”を見に来てる客にも来てない客にも見放されようとしてますよ多分。

2010/8/13  10:29

投稿者:オビ湾

3D初めてでしたか。トイ3は殆ど3Dしない映像だったので慣れやすかったと思いますよ。アリスとかアバターとか、目は疲れるわ薄暗いわで良いとこなしですよ。あれで安くなるならまだしも、追加料金取るって!って感じです。
所、気になりましたか。僕もですけど。声質は似てるんですけど、喋り方が違うんですよね。
是非トイはDVD字幕で観てください。所の「無限の彼方へ!」ではなく、ティムアレンの「To infinity! and beyond!!」の方を!最後が余計に泣けてきます。

新ベストキッドもほぼ吹替上映になっちゃいましたし、今後は吹替が幅を利かせそうですね。字幕は夜に偏りそうなので、hirocean殿には厳しい時間帯になるでしょうか。

某踊る監督の「今の観客は“映画”を見に来てるわけじゃない。」ってのが、きっと数字に表れてるんでしょうね。
全ての映画に最低でも1館、字幕の選択肢を残しておいてほしい。これが現実的な願いのような気がしています。
その選択肢が無くなったら、もうオスカーもゴールデングローブも見る意味がなくなってしまう。

でも日本にはまだキネ旬全盛世代がいるから大丈夫かな〜とか。

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