「Pirates Of The Caribbean: Dead Man's Chest(パイレーツ・オブ・カリビアン後略)」
その他のレビュー(映画など)
おっかしいなあ
2006年のアメリカ映画で、シリーズ2作目。正確な邦題は(パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト)のようです。主演はジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ。シリーズ映画でもキーになる俳優が交替してしまうこともありますが、この作品に関しては前作から3年経過しているにも関わらず、重要なキャストに変更はありません。
今回はWOWOWの字幕で見たわけですが、前作がなかなか楽しめたので、かなり期待して見たところ・・・
ストーリーです。前作で海賊のジャック・スパロウ(デップ)と協力して総督の娘エリザベス(ナイトレイ)を救った青年ウィル(ブルーム)は、彼女との結婚を目前に東インド会社のベケット卿に逮捕されます。罪状はジャックを逃亡せしめたことで、釈放のための条件はジャックが持っているコンパスを手に入れること。このコンパスは、幽霊船長ジョーンズの心臓をおさめた櫃を探すためのもので、コンパス、櫃、そしてそれを開く鍵の争奪戦、そして櫃の扱いについてジャックとウィルの立場の違いなどが描かれていきます。
以下、ネタバレしないと感想を書けないので、ラスト近くの内容も明かしてしまっています。未見の方は御注意下さい。
実際にかなり期待して見ていたのですが、見ている間も「なんか違う」という印象が拭えず、ラストシーンで唖然としてしまいました。いや、続編があるのはいいのですが、そして決着がつくのは次作でいいのですが、1作品が終わる上でのまとまりが中途半端ではないかと。こういう終わり方で最初に思い出すのは「スターウォーズ 帝国の逆襲」なのですが、話の上ではもっとまとまりがついていたし、すっきりできた覚えがあります。しかし、この映画ではラスト20分にかかって、さてこれからクライマックスだと思ったら、実はクライマックスはその前に終わっていて、最後の部分は次作へのつなぎがだらだら続きます。そして、この映画のクライマックスはなんともビタースイートで、爽快感がないのです。
前作はかなりストレートな脚本で、ジャックとウィルのコンフリクトもかなり単純な形で提示されていましたから、見ていてわかりやすかったのですが、全体に謎を盛り込んだおかげで展開がもったいぶったものになってしまったのと、ジョーンズ船長の船の上でのシーンが重くて暗くて全体のリズムを損ねているのと、ウィルの活躍に時間を割いたおかげでジャックが登場する時間が結果的に短くなってしまったのと、その辺が問題になっているように感じました。3人均等に見せ場を作ろうとしなくてもよかったのでは(って、これまた政治的な理由のような気がしないでもありません)。
CGに関しても、特にクラーケンのシーンが作り物臭くて駄目でした。日中のシーンなのでバックが明るかったこと、動きが速いので画像が粗くなってしまっていたこと、人間を触手でつかんでふりまわすところの動きが不自然であること、などが原因だと思います。
評価は☆☆☆とします。腹も立たなかったかわり、感動もせず。

0