「Breakin' All The Rules(恋のトリセツ 〜別れ編〜)」
その他のレビュー(映画など)
もっと面白いお話になりそうに思ったのだが
2004年のアメリカ映画で、主演はジェイミー・フォックスとガブリエル・ユニオン。たまたま作った「上手な別れ方マニュアル」が大ヒットした男の物語。
この映画を録画したのは2年ほど前のような気がします。なぜ今頃それを見たのか。ずっとHDDの中に残ったままだったのを、ついに見ていなかった映画が減ってきたため、見てみようかという気になったからです。
ストーリーです。出版社に勤めるクィンシー(フォックス)は、婚約も目前に控え、順風満帆に見えていましたが、婚約パーティのその場で相手にふられてしまいます。おまけに上司からはリストラの片棒かつぎを命じられ、あまりのストレスに自ら「リストラされて」しまいました。そこであまりの落ち込み故に彼が考えたのは、「いくらなんでもあのふられ方はひどすぎる。恋人をふるにしても、少しでも相手を思いやれば、スマートなやり方がある筈だ」ということであり、これにリストラのマニュアル作りのノウハウを加えて、「恋人と別れるためのハンドブック」を作り上げます。これに目をつけたのが同じ会社に勤務していた彼の従兄弟。出版に持ち込むやベストセラーとなり、一躍クィンシーは時のひとです。ところが、常に恋人を取り換えている従兄弟が、その時の相手から逆にふられてしまい(実はふられたと思っただけ)、普段ふられたことがないだけにかえって相手への思いが募ります。クィンシーは、彼を助けるために、その相手であるニッキー(ユニオン)との仲を取り持とうとするのですが・・・
この映画、最初の20分の展開はとてもきれいです。特に、リストラする側に回ったクィンシーが、もうやってられないと観念し、「リストラリスト」の最初に自分の名前を書き加えて退職してしまうというのは、なんともしゃれています。従兄弟がマニュアルの威力を自ら実践し、「俺たち大金持ちになれる」と言うのも型通りながらわくわくします。ただ、この映画が乗り切れないのがこの後の話の転がし方です。私なら、「従兄弟の恋人に惚れてしまったために、彼女と別れなければいけないと、マニュアルに沿って彼女をふろうとする。しかし彼女がマニュアル通りに動いてくれないのでなかなかうまくいかない。もうなるようになるしかないと諦めかけたところ、少し前に仕掛けておいたトリックが発動して上手に別れることができた。だけれどもそれは間違っているのではないかと悩む。やはり自分には彼女が必要だ」という王道パターンを取りたいものなんですが、この映画では「ふりたいふれない」というギャグパートは、ピーター・「ジョン・ケイジ」・マクニコルに任せてしまい、主役ふたりの駆け引きがもひとつ盛り上がりません。
どうせラブコメディなんだから、別れる別れないのところは思いきりどたばたしたらよかっただろうにと感じてなりません。感想としてはまあまあ。☆☆☆。

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