「Taking Lives(テイキング・ライブス)」
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この映画はネタバレなしでは感想が書けません
2004年のアメリカ映画で、主演はアンジェリーナ・ジョリーとイーサン・ホーク。ひとことで言ってしまえばサイコキラーものです。主役はFBIの女性捜査官イリアナ(ジョリー)で、サイコな人を専門に扱っている人のようです。話の主軸は、彼女が連続殺人犯の実像に迫っていくというものですが、この殺人犯が、殺した相手のキャリアやキャラクターを乗っ取って生きるという「ほんまかいな」という特性を有しているのがポイントです。まず工事現場で男の死体が見つかり、イリアナが捜査陣に加わります。彼女は同地方で殺害・行方不明になっている男達に目をつけ、犯人は被害者になりすまして生きているのではないかと推測します。過去の事件ではそれ以上の手がかりはなかったところが、今回は目撃者がおり、彼を頼りに犯人を追いつめられないかというストーリーです。
「続き」はネタバレ満載です。ご注意下さい。
なんというか、真犯人が予測できなかった人はあまりおられないんじゃないかと思います。犯人を乗せているとおぼしき自動車とのカーチェイスが終わった時点で残り30分。これで話が終わるわけがないし、そうなるとさっきから怪しい匂いがぷんぷんしていたあの人が犯人だとしか思えません。列車に警官隊が急行したあとのフォローがないので、彼が逮捕されていない可能性は極めて高いし、イリアナの偽装にしても、はさみを突き立てた時点で予想できたことです。犯人バレが比較的早い時点で起こりますから、どちらかといえば彼をいかに犯人であると認識して、その化けの皮をいかに剥ぐかというのが焦点でしょう。
ただ、細かいストーリー展開でわからなかったことがいくつか。私の理解能力が足りないからでしょうが。
・コスタが重要参考人になった経緯:彼にとって目撃者として振る舞わざるを得なかったのは意図的なものなのかどうか。警察を引き込んだことは得ではなかったと思うのだが。
・コスタがイリアナをだました手管:サイコ犯罪者を多数扱っている海千山千の捜査官を、彼が犯人でないと騙せたのは、彼の「なりきり能力」がなせるところなのか。
・アッシャー家でベッドの下に隠れていたのは誰で、その意図は:誰がそんな趣味を持ってたんでしょうか。
・イリアナが妊娠偽装していた理由:あれ、7ヶ月後にマーティンが来たからよかったようなものの、そうでなかったらずっと偽装していたつもりでしょうか。あと1年様子を見られたら、それこそ姑獲鳥になってしまいます。さらに、彼が腹部を刺すという根拠はどこにあったのでしょうか。銃で撃たれたらそれこそおしまいではないでしょうか。
それなりに面白いし、引っ張っていくだけのパワーもあるのですが、脚本がどうにも強引過ぎるので見終わってから疑問点が山積みです。アクションシーンとか、いいところはよいのでその辺が残念。☆☆☆でした。

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