写真は、「プラテーロとわたし(春・夏)」(ファン・ラモン・ヒメネス作、伊藤武好・百合子訳、フォア文庫)の表紙…。
この本(ハードカバーで秋冬も全部入っているもの)を最初に読んだのは、中学3年か2年のとき。図書館で、とてもかわいくてシンプルな挿絵(昨年亡くなられた、絵本作家でもある、長 新太さんの絵)に惹かれて…。
そして、ヒメネスの、故郷の四季と、ロバのプラテーロと人々についての愛情溢れる散文詩に、すごく感動した。

それで・・・、
・・・何とか高校生になってすぐに、「わたしの夢」を原稿用紙1枚に書け、という宿題がでたとき、受験で疲れていたわたしは、「プラテーロとわたし」の「わたし」、のように、自然の中で暮らしたい、というようなことを書いてしまった。
今から思うと、この「わたし」を作者自身と、思われてしまったら、恐れ多いことを書いてると言われそうです。ヒメネスはノーベル賞作家だし。それに今改めて解説をみると、これを書いたのはまだ若いときで、その後、奥様とともに世界中を転々としなくてはならなかったのだから・・・。
それでも彼が、「プラテーロ」のおかげで、心を癒され、充実した人生をおくられたことは間違いないと思います。
わたしについては、今のところずっと自然のまあまああるところに居て、ロバじゃないけど、犬と散歩が出来ている。しかもその犬の名には「プ」が付いている!。
高校生のわたしは、そこまで考えていなかったけどね・・・。

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