ここのところインフルエンザ患者がものすごく多い。土曜日は1日で50人くらいにインフルエンザの薬を渡した。花粉の猛威の前にインフルエンザが猛威をふるっているわけだが、A,B両方の型が流行っているので当分は落ち着かないかもしれない。
そんな中、昨夜は2件の相談電話があったがそのうちの実姉の子供のケースを通して「副作用情報」について考えてみたい。
6歳の男の子。一昨夜から高熱で抗インフルエンザ薬のタミフルを服用し始めた。昨夜11時半ごろ突然奇声を発した後、起き上がり「○あが×※ピ △!」とまったく理解不可能なことをしゃべったりしたらしい。心配した姉は私に電話してきて「熱で脳がやられた!狂った!どうしよう?」と半泣き。
・・・実はこれ、タミフルによる副作用のうち「幻想、悪夢」の可能性が高い。多くの人に出るものではないが、報告例はある。この副作用だと思うから脳は死んでないよ。大丈夫だから、あわてなくていい、と姉には伝えた。こども泣く
ちなみに私がタミフルを投薬する場合、「夢にうなされることがまれにある」と伝える。聞いていれば親は安心するわけで、こういった副作用があることを恐れてタミフルを飲ませるのをやめよう、という親はいない。姉のケースも聞いていれば安心はできなくとも、取り乱すことはなかったはず。
結局、副作用情報の伝達は「相手の立場に立って伝えること」が必要なのだろう。想像力が豊かで、相手のことを思いやる気持ちがあれば的を得た副作用情報をわかりやすく伝えられるはずだ。それができるかどうかが薬剤師の1流と3流の分かれ目なのかもしれない。
最後に大失敗の副作用伝達例。10年以上前の話で私が超新米薬剤師だったころのこと。
私「この薬を飲むと前立腺に影響を与えておしっこが出にくくなるかも・・・」
患者♀「あの・・・女性にも前立腺ってあるんですか・・・?」

私「いえ、あの、あ、・・・(脂汗)ま、まれにね、あるかも・・・」

ベテラン薬剤師の助太刀 「ないですよ〜^^ご安心ください」

私「あ、そう、そうなんですよ。いや〜わっはっは。大勘違い!(滝汗)」
患者

「・・・・( ̄- ̄;)」
ま、二度とこんな失態のないようにしっかり勉強を重ねておりますのでご安心ください。

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