インフルエンザもようやく下火になってきた。

しかし一難去ってまた一難、花粉症にお悩みの方には苦しい季節が本格到来だ。スギ花粉なら4月半ばで終わるが、ヒノキにも反応する方は5月の連休明けくらいまではご覚悟を。
この花粉症の症状で耐え難いのは目と鼻。ある人の表現を借りれば、「目と鼻を取り外して花粉をすべて洗い流したい!」というくらいだから大変なものである。(幸い私の場合、コンタクトをやめてから(LASICKオペをした)は目とコンタクトの間に花粉が入ることがなくなり今年から花粉症のシーズンは怖くなくなった。伴ってか不思議と鼻も全く症状がない。)
このような症状への対策はいくつかの方法があるが、まず大切なのは「治す」のか「一時的に抑える」のかの選択、または組み合わせをよく理解して薬を使用することだ。
一時的に抑える即効性の点鼻や点眼薬としてはプリビナ(点眼・点鼻)やトーク(点鼻薬のみ)がよく用いられる。これらは血管を収縮させる作用がある。花粉アレルギーの方の場合血管は腫れた状態になっているものだから、重たく詰まった感じがして鼻水がたらたらと流れてくる。だからその血管を収縮させると楽になる、という単純な作用機構。
しかしこれら血管収縮薬を大量に長く使い続けるとどうなるか・・・実は効かなくなる。それどころか前よりよけい血管は腫れて症状も重くなる。
また市販の点眼や点鼻薬にも血管収縮薬(塩酸ナファゾリンなど)が入っているものは多いので注意していただきたい。目の場合使いすぎると血管が収縮しなくなり反対に腫れることによる赤い血の塊のようなものができることがある。(眼科の先生いわくこのことを通称「どにく」と言うそうだ。どういう漢字か、よくわからないが。)
いずれにせよ、血管収縮剤かどうかよく確かめてもらうこと。そしてどうしても耐え切れないときとか目の充血や鼻水を止めておかないと仕事に支障をきたすときなどのみの使用にとどめておくことをおすすめする。回数的には1日4,5回まで。1日8回使った人が1ヶ月で効果がなくなったケースもあるので。
では定期的に使うといい点鼻、点眼薬は何か?(ただし、医師は患者の目や鼻の粘膜の状態に応じて使用するものを選択するので必ずしも私がいうものばかりを使うわけではないことをお断りはしておく。)
まずは抗アレルギー薬。アレルギー反応を起こした結果放出されるヒスタミンやロイコトリエンが症状の発現に関わっているのだから、これらが作用できないようにしてしまう効果をもった薬剤のことをいう。
内服、点鼻、点眼、吸入、塗布と様々な剤形がありもっとも古くから用いられているのが抗ヒスタミン薬。ただし眠気の副作用が強い点にはご注意いただきたい。アルコールとの併用は眠気を増強させるので要注意。そして前立腺肥大や緑内障があるかたは症状を悪化させる場合があるので必ず医師か薬剤師に申し出ておくこと。CMに感化され、勝手に商品を決め付けて買いにくる人がいるが、こういう注意点をいっさい語らない薬局には二度と行かないことをお勧めする。(私は彼らを薬剤師とは呼ばず、薬売人と呼ぶ)
最近よく使われるようになったのが抗ロイコトリエン薬。今のところ内服中心だがけっこうこれはいい。眠気が少ないし、効果も高い。使用量は年々増加中。
これらは長期的に使うことが多く、勝手に使用を中止することはおすすめできない。喘息も含めてアレルギー反応は出させないことが一番重要。
きちんと抑えておけば悪化しないばかりではなく、症状を出させない期間を長く保つことで目や鼻の粘膜が自然治癒していくことも少なくない。
最後に紹介するのはステロイド。怖がって敬遠している人も多いが医師が使用を勧める場合はぜひ使って欲しい。うまく使えば決して怖くない。ステロイドは「治療」なのだ。
・・・とここまで書いて時間切れ。続きは次回。

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