よく、ボラのときに会う小学校下学年くらいの男の子がいます。
大人でも迷うことが多い機械の自動受付も、ちゃあんと自分でやって、お母さんが男の子を車からおろして駐車場へいっている間に、さっさと受付を終えてしまいます。
でも今日はお母さんも車からおりて、たくさんの荷物をおろし、男の子もふくらんだリュックを担いで来ました。
男の子がこちらにやってきたので、「おはようございます」と挨拶すると、「今日から入院するよ」と、いつものように少しはにかみ笑いしながら話してくれました。
でも、そういってこちらを見上げる男の子の顔は土色、なんの病気かは分かりませんが、一瞬言葉に詰まりました。
ほんとはこう言っちゃいけないかも、と思いながら、「そうなんだ、がんばってね」と言ったのがやっと。
「採血とかいろいろやらないといけないし」「あ〜、採血痛いもんねえ」と話をそらすことができてほっとしました。
その後やってこられたお母さんがちらとこちらに会釈されて、二人は、病院の奥へ進んで行きました。
長く通院されている患者さんの何人かは顔見知りなので、まるで道でお会いしたかのように、普通に声をかけ、患者さんも、普通に受け答えされるんですが、ほんとは、どの方も、病気と向き合いながらここに来てらっしゃる、それに比べて、私は、まだまだ肝が据わってません。ときに、患者さんがご自分の具合について話されると、何も言えなくなります。
こういう状況は、病院では当たり前なのに、いざとなると逃げ腰。
かといって、慣れたり事務的にはなりたくないですけど、お手伝いしてるほうとしては、も少しなんとかしないとね。

0