小さい頃、サンタクロースにお願いしたもので、一番覚えているのが、サンタの靴です。
今でもよく売られている、中から飛び出るほどお菓子の入った(実際は上げ底だけど)ヤツです。
私たちが小さい頃は、色は銀か金で紙製、必ず、靴のトップの真中に、セルロイドのサンタの真面目な顔した小さな顔がつけられていましたよね、白い口ひげは、綿で。
繁華街にあるデパートの地下に下る階段(その頃はエスカレーターってなかった)の踊り場辺りに、私の目当ての靴は天井からぶら下がってました。
「大きなサンタの靴が欲しい」とお願いしたとき、まさに“それ”をサンタさんにお願いしたつもりでした。具体的には言いませんでしたが、大きいと言えば、この辺りではこれが一番でしたから分かると思いました。ほんとにデカかったんです。自分が“履ける”というのがポイントでした。お菓子はともかく、それを履きたかったんです。
でも、クリスマスの朝に目が覚めたとき、枕元にあったのは、それよりちょっと小さく、“履けないけど大きい”靴でした。「○○ちゃん(←私の名前)、よかったね、大きいのもらったね」と、母や祖母が言ってるし、子供心に「これじゃない」とは言えないと思いました。
しかも、許せないのは、弟には、履けたんです!その年だけではありません。まだ小さかった弟は普通サイズのサンタの靴も入るので、翌年以降もしばらくは、サンタの靴をもらった時は必ず履いて遊んでました。く、悔しい、それ、私がしたかったのにい。
今では、プラスチック製や布製、漫画のキャラの靴、飾りも可愛くなったり洗練されてきたりで、サンタの靴も様々、随分変わってしまい、もう、当時のままのサンタの靴は見られなくなりました。
ちなみに、うちの旦那とつきあって初めてのウン十年前のクリスマス、「一番大きな靴が欲しい」と私に言われた旦那は、かなり恥ずかしい思いをしながら、買った靴を持ち街を歩いたそうです。あのころはまだ初々しかったのね。

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