このごろは、もっぱらCSでの映画鑑賞です。
それも、テレビをつけたら偶然あってて、面白そうなのでそのまま見た、というのが殆どです。
今日見たのは、タイトルのアイルランドコメディ。
小さな島の、全員が顔を知ってるような小さな村の誰かに、大金のくじが当たります。
それが誰か、つきとめるために、パーティーを開いてお互いの腹の中を探り合ったり、互いに疑心暗鬼になったりするのですが、現実にくじを当てた人物(=ネッド)は、なんと、当たりくじを持ったまま、亡くなっていたことが判明。
しかし、この、身よりもない年寄りが、もし亡くなったと言うことがわかると、大金を逃してしまう・・・。
そこで、当選金は皆で平等に分け合うことで合意し、村人全員が協力して、村人の一人をネッドにしたて、くじのためにやってきた調査員をだます計画を立てます。
調査員は、善良そうな村人たちをすっかり信じ、調査は無事終了。
が、そこに、村で唯一人、意固地で嫌われ者の女性が。
彼女は法外な分け前を要求、村人は彼女をなんとか説得しようとするのですが、村人達が祝杯をあげている最中、彼女はくじ会社に電話をかけ・・・。
おそらくは先祖代々つましく暮らしていた善良な村人たちが、大金を前に、とんでもない一世一代の計画を思いつき実行する、そのあたふたぶりが、犯罪者とはほど遠く滑稽、微笑ましくさえ映ります。
「やっぱりほんとうのことを言おう」と良心に目覚めてめでたしめでたし、となっていれば、時節柄、クリスマスのとっておき話になるはずのところ、この映画に限っては、村人の祝杯を挙げる姿をみて、どうしても、これでよかったのだと思えてしまうのは、背景に流れる力強いパイプ音楽と、荒れた海と土地という厳しい自然のせいかも。
それらはコメディーとは異質で、人間の法律など粉々に砕くほど厳然とした力で、「これでいいのだ」と言っているようです。
それに従ってきた犯罪者の村人達と、理由はともあれ正義を選んだ嫌われ者の女性とが真逆の結末になるのは、なんとも理不尽なはずなのに、見ているものもなぜか、「これでいいのだ」と納得してしまうのです。
という面白〜いお話。
(意地悪女性の結末なんかもみものなんですけど、皆は言うまい。)

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