映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」 (ネタバレ含む)  映画・ドラマ等

正直副題はいらないと思うのだが。

以前ブログやTwitterにも書いたのですが、もともと原作を読んでいて、これもし映像化するなら鹿野さんは大泉洋がいいな、と思っていたので、映画になったことだし、見に行かねば、と思いつつなかなか見に行けなかったのですが、ようやく見てきました。今回見に行った池袋シネマ・ロサでの上演は25日まで。間に合ったw

原作をどう映画にしたのか、ということを気にしつつ見ていたのですが、描かれ方としてはおおむね満足。泣きはしなかったが、泣かせる映画ではないのでOK。いい映画でした。

原作ですが、2000年に作者の渡辺さんが親交のある編集者から「これこれこういう人がいるんだけど、この人を題材にノンフィクションを書いてみないか」と鹿野さんを紹介され、取材していくうちに自分もボランティアとしてシフトに組み込まれていく。その日常と、鹿野邸に来るボランティア数名へのインタビュー、この本を書いた時点での筋ジストロフィー患者事情、そして鹿野さんの生い立ちと盛りだくさんの内容なので、ちょっと読んでいて時間軸が掴みづらいところがあります。
鹿野さんが20代前半で障害者の自立運動に関わる経緯などを説明するためには、「なぜ札幌で障害者の自立運動がここまで盛り上がったのか」についての説明も必要になるし…というのはよくわかるのですが。注釈などもかなり長いです。

映画は原作よりも少し前の1994から1996年が舞台。ボランティアに来た女性に恋をしては振られたり、英検を目指して勉強したり、入院したり、人工呼吸器をつけるつけないでもめたり、旅行に行ったりと、変化が多い時期なので、この時期を選んで映画にしたのはいいと思いました。

田中(三浦春馬)と二人でAVを見るシーンやら、買い物を頼むときにエロトピア(パンフレットで知ったけど、エロトピアって2000年に休刊になってたのね…知らなかったw)を頼むとか、本棚にAVを隠し持っているのが美咲(高畑充希)に見つかるとか、「筋ジストロフィーの人は勃起するのか問題(筋肉じゃなくて海綿体なので勃起はする)」など、性的なことも自然に出しているのがよかった。障害者の性の問題というのは避けられがちだけど、必須だと思うので。
あと鹿野さんがバツイチになった経緯がさらっと出てきたのに驚いた。

映画の前半で、意識高い系で要領が良くて、鹿野さんに「気が利くねえ」と言われているボランティア男子が出てきて、「こういう子は意外にあっさり辞めそう」と思っていたら、案の定「自分は不幸な人を助けたいからボランティアになったのに、鹿野さんは人生を謳歌してて楽しそうだから」という理由で辞めていた。多分実際そういう人もいたんだろうなあ…。

原作だと本の完成を待たずに鹿野さんが亡くなってしまい、お葬式を済ませたところで本文が終わっているんだけど、映画はどういう結末になるんだろう?
と見ながら思っていたのですが、なるほどそういうふうにまとめたか。
あとエンディングは反則ですよ…。

あと、普段テレビドラマってあまり見ないので演技している高畑充希嬢についてはあまり知らなかったのですが(「おげんさんといっしょ」のお父さん役の子か、そういえば)存在感があって地に足が着いているというか、骨太そうなところがいいなあと。
三浦春馬は顔が綺麗すぎて、作り物みたいだよなあという印象があったのですが、この映画では悩める役がハマっていました。エリートなお坊ちゃま医学生なんだけど、父親とうまく行ってなかったり、美咲の嘘を許しきれずに苦しんだり、美咲と鹿野との関係に内心嫉妬していたり…という、最後近くまで結構うじうじしてるんですよね。そこが人間くさくてよかったです。

映画のノベライズ版なども出ているようですが、個人的には原作を読んでみることをおすすめします。上にも書いたとおりかなり長いのですが、原作でのエピソードがうまく映画に落とし込まれているのと、映画で語られた以後の話が原作にはあるので。

ちょっと個人的に気になった点など。

クライマックスのシーンなんだけど、サプライズ…にしてはちょっと冗談じゃすまないかなあと、ちょっと引っかかった。もしかしたらそこが苦手、という人もいるかもしれない。しかし美瑛に二人が来ないと話にならないので、そこらへんはギリギリのところではある。

退院パーティーで鹿野さんが美咲にプロポーズするシーン。あれ指輪はどこで用意したんだろう?鹿野さんが自分で買いに行けるわけないし。頼まれて買ってきた誰かがいるはずなのだが。

あと90年代中盤では「やばい」ってそういう使い方しなかったような気がするなあ。そのへんも突っ込むとキリがないけど。
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