2005年9月4日夜から5日未明にかけて、東京を襲った水害の記事を
G[05.09.05]、あるいは
G[05.09.06]に書きました。
その後、さまざまな報道や見聞したことをまとめてみましょう。
(9月7日の台風そのものの接近時には、特に被害が出なかったのは幸いでした。)
まず今回の水害でも活躍した地下調整池。
『産経新聞』の報道によると、工事中のところまで利用、まさに限界まで大活躍だったらしい。それでも防ぎきれなかった。
↓地下調整池 取水口
↓今度は貯めた水の排水が続けられている
↓驚いたのは、1日の激流で砂泥が貯まり、川の湾曲部にこんな川原ができてしまったこと
お気の毒にも、被害に遭った家庭からは大量のゴミが。
↓使えなくなった家財や
↓畳も
↓川の周囲は泥が溢れ、泥水の生臭いにおいが今でも。
それから一部で報道されたのは、地元自治体のハザードマップが一部、不備だったというもの。これは確かに問題があります。
しかし、一番ひどかったのは。。
今回の水害、溢水したのは同じ水系のK川、Z川、M川、S川。
↓川の合流点
そのうちZ川の流域で一番、目立つ形で被害が。
マンションの1階部分が水没してしまった、という。
それ以外の流域でも、地下室に水が入り込んだ被害が。
でもね、まーくに言わせれば、それは当たり前のこと。
TV報道によると、昭和40年代、この地域で不動産を買った住民は不動産屋から
「河川改修が済んでいるから、洪水の心配はありません」
という説明を受けていた、という。
それで地下室や高くない1階を。
しかし地元ティー(ジモティー)に言わせれば、これは憤激、爆笑(ちょっと不謹慎だけどね)ものの大間違い。
そりゃ、それ以前に比べれば
↓
「カミソリ堤防」
も整備され、
下水道もできてドブも無くなり、水害への安全度は増したけど。
都市化が進めば地面もコンクリで固められるばかりで、豪雨の時にはかえって都市型の水害が起こりやすくなる。
昭和40年代の「地元の人」に聞けば、それくらい確実に教えてくれたはず。
だって、例えば幹線道路から比べて川沿いの住宅地は、こんなに低いところに立地してるんだよ!
↓水位が上がれば排水口からも水が噴き出してくるし
正直、川沿いそばは住宅やビルの建築に向かない土地。
それでも強いて建てるんなら、
↓土台をかさ上げして、これくらい1階を高く作るとか、
↓事実上、1階は駐車場だけにして、2階から玄関・居住部分を作るとか。
しなければいけません。
そうでない建物が被害に。
それで思い出した、九州有明海・諫早湾の水門の問題。
「水門を作らないと、農地や宅地が水害を受けるんだから、是非、必要!」
という意見に対して、井沢元彦.氏。
「水害が怖いなら、農地や宅地を安全なところに移転させ、跡地を遊水地にすればいい」
農地がむしろ余っている今の時代、その方がよっぽど効率的。
日本全体では人口が減り始める、とはいえ東京の住宅地は余らないでしょうが、それでも地価は下がる。
こういう「水害常襲」や「断層直上」の土地は、買い上げて公園・遊水地を作る、あるいは高床式建物にする。
という方が、延々と堤防・地下貯水池をつくるより、よほど効率的(費用対効果が高い)に思えました。
(注:
水害情報インデックス)