以前、大学の新入生の後輩からこんな質問を受けたことがあります。“未経験だけど身体を鍛えたいんですが、どんな部活やサークルに入ったら良いでしょうか?”私の同級生が的確に答えてくれました。“もちろん、運動部やスポーツ系のサークルに入るのも良い。ただそれ以外に、「演劇」の団体も基礎体力をつけるトレーニングを、充分に経験できるよ。”
そうです、本格的な「演劇」はもうスポ根の世界!『ガラスの仮面』(美内すずえ 白泉社)でも月影千草せんせいは北島マヤの腹にパンチを当て、“腹筋でこれを跳ね返せるくらい大きな声を出しなさい”と指導。シェークスピアの『真夏の夜の夢』の「妖精パック」を演じるには“オリンピック並みの稽古を”と6人が投げる3つのボールを音楽に合わせて“ダッタン人の矢よりも早く”よける訓練をさせます。
でもこうしてマヤも、充分に体力はついたのに、いつになったら『紅天女』を演じるんだろうか?と思っている読者は、私だけではないはず。