前回
F[07.01.23]は、三島由紀夫こと平岡公威、自衛隊の訓練に参加しても上半身の筋力は立派だが下半身の持久力に難があり、まるで走れなかった、記事を書きました。
『週刊ポスト』[07.02.09] 「兵士になれなかった三島由紀夫」 その続きが。
走れない、とはいってもボディビル・筋トレで鍛えた三島の上半身。腕立て伏せや懸垂では現役若手自衛官(幹部:昔で言えば将校ね)に引けをとらず、懸垂ではほかの学生より頭一つ高い位置まで体を持ち上げていた。
誇らしげなその写真も残っている(らしい。雑誌にも不掲載)。ところが、、、。
その写真を見た旧日本陸軍の将校。それも二・二六事件の生き残りという筋金入りの職業軍人。
三島の「教官」役だった自衛官に手紙を送ってきた。
>この懸垂は「本物じゃない」
>現実の軍人・戦場だったら危ない
>その点は注意しないと
確かに三島の懸垂。腕力が強いのは立派。
ところが
足に力がないので、両足がダランと垂れ下がっている。さらに腕力に頼りすぎて背筋(広背筋は絶対必要だよね)も張りつめておらず、微妙に内側に丸まっている。
写真の中の、となりで懸垂している現役自衛官と比べると違いは明らか。
この身体の使い方・筋力のつき方では、
「兵士として戦場に出るのは危険」
という指摘なんですねえ。
「トレーニングのプロ」というと我々は、トレーナーやプロ・スポーツ選手を思い浮かべますが、「軍人」というのもあるんだよな。
しかし写真一葉から教官も見逃していた三島の弱点を見抜いてしまう。
「職業軍人」畏るべし。