2016/5/4  20:44

個性派俳優01  昭和史
10代、20代に映画少年だった筆者には、思い入れのある俳優が多い。明確に異性を意識する女優はこの際省く。主演俳優ではなく、映画のなかでの脇役、或は悪役で主人公に始末される・殺される俳優の、もしかして主演を食う演技力に焦点が行った。だからと言って主演俳優がキライだったわけではない。三船敏郎、鶴田浩二、池部良、高倉健、中村錦之助などは別格。他の映画会社には出演できない“五社協定”なるものもあって、6社目の新東宝が倒産という事態もあったが昭和40年前後は映画の全盛時代だった。テレビドラマの発展でその協定も解消され、いわゆる性格俳優は存在感を増した。18歳の春、観た「天国と地獄」以来、黒澤明監督作品の虜になって全作品を鑑賞した。

ここでは既に亡くなった俳優で主演クラスは省き、且つ悪役に縁が無かった俳優も取り上げない。即ち黒澤映画の常連の志村喬、宮口精二、大滝秀治、米倉斉加年、田中邦衛などは好きな俳優。だが志村喬・大滝秀治は大物だし、田中邦衛は存命。宮口、米倉には、悪役は無かった。芦田伸介も存在感があった。以下、取り上げる名優は、その“”だけで解るほど。俳優は、演技力は無論だが、声も重要なファクトだ。

小池 朝雄(こいけあさお) 1931─1985 昭和60年、54歳没
アメリカのテレビドラマ「刑事コロンボ」で主演のピーター・フォークの声を担当して名声を得る。今もBS放送などで繰り返し放送されている。この音声のモノマネ芸もあるくらいのいわゆるハマリ役だった。高倉健の「南極物語」には重厚なナレーションが残っている。文学座の出身、「劇団雲」の創設に参加。舞台出身の俳優だが昭和40年代「仁義なき戦い」などヤクザ映画の常連で存在感を示した。映画では悪役が多かったが、ドラマでは悪い役か、いい役か迷うほど眼力鋭く、それでソフトでもあった。高倉健の作品にも多く出演。昭和50年代勃興したテレビの2時間ドラマに多くの出演、刑事役もこなした。佐藤慶同様、松本清張原作のドラマの常連だった。昭和57年の土曜ワイド劇場の「危険な斜面」では、犯人を追い詰める沈着冷静な刑事役が印象に残る。8oVTRに保存してある。小池・成田はこれからいくらでも活躍が期待されながらの病死で、今存命ならまだば80歳代でまことに惜しい昭和の名優だ。

成田三樹夫(なりたみきお) 1935─1990 平成02年、55歳没
山形大学中退、俳優座12期生出身。同期は中村敦夫。大映では、勝新太郎の「座頭市」シリーズ以外には「兵隊やくざ」が筆者はファンで、憲兵役でその名を知らしめたと思う。その特異な風貌は、単なる悪役ではなく市川雷蔵の映画でも殺し屋として準主演した。NHK大河ドラマも多く出演。映画「柳生一族の陰謀」では“白塗りの公家”だが剣の遣い手で、「オッホッホ」とニヒルな笑いと共に柳生一族をバッタバッタと斬り捨て“当たり役”になった。松田優作と探偵物語で共演、そのコミカルな刑事は違う一面を見せ、人気を博した。この俳優も大滝秀治などと同様、その声だけで解るほどのいわゆるドスの利いた声で終始威圧感があった。「仁義なき戦い」「極道の妻たち」で好演した。死ぬまで「東大中退」の学歴を隠した。最近の「週刊現代」の助演俳優部門では笠智衆に次いで堂々2位に選ばれている。没後、活版印刷にこだわり句集「鯨の目」を出版。いまこれは、アマゾンで新刊本を注文中だ。感想は何れ書く。

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