2011/12/30  22:43

映画・山本五十六  映画TV
もう30日だと云うのにまだ年賀状すら印刷していない。文字入力が28日終了、昨日は地デジ・BS・スカパー内蔵のVTR機器を設置したばかり。だが気になるので映画『山本五十六』を鑑賞してきた。主演は役所広司、監督は成島出。現実の山本五十六と役所広司は似ても似つかないが、雰囲気はよく出ていた。映画としては良く出来ていると思う。

だがこの映画には重大な欠陥があった。筆者のように少しく昭和の戦争の人物を知っている者には、山本が会話している軍人・政治家は解かる。柄本明、坂東三津五郎、伊武雅刀など俳優は日本映画の御馴染だからそれは解かるだろう。だがその俳優が演じている役どころは多分解からないに違いない。どうして字幕で軍人・政治家の名を知らしめないのか甚だ理解しかねる。

カタログを買えば解かるのだが、ここで演者の名を報告しておく。軍人の名が解からなければ山本五十六の軍事的真実さえ理解できないに違いない。

役所 広司 山本五十六 海軍元帥・昭和18年04月戦死
坂東三津五郎 堀 悌吉(ていきち)予備役・海軍中将
柄本  明 米内(よない)光政 海軍大将・元総理大臣
伊武 雅刀 永野修身(おさみ)軍令部総長
柳葉 敏郎 井上茂美(しげよし)海軍大将
阿部  寛 山口多聞(たもん)海軍航空戦隊司令官 ミッドウェイ戦戦死
椎名 桔平 黒島亀人 連合艦隊先任参謀

物語は、山本五十六が「日独伊三国同盟締結」反対の発言あたりから始まる。山本は「条約成立」が米国との戦争に発展する可能性を指摘して、陸上攻撃機の配備数を2倍にすることを求めた。同期で予備役に追いやられた堀悌吉に「内乱では国は滅びない。が、戦争では国が滅びる。内乱を避けるために、戦争に賭けるとは、主客顛倒もはなはだしい」と言い残したのは有名な話だが、そんな台詞は無かった。三国同盟の締結、日本海軍の中国・海南島占領や北部仏印進駐などにより、日本と米国・英国の関係は急速に悪化していく。この映画の監修の半藤一利氏の『昭和史』などでは有名な発言だが、その台詞も無かった。すなわち≪当時の総理大臣であった近衛文麿が残した『近衛日記』によると「余は日米戦争の場合、(山本)大将の見込みの如何を問ふた処、それは是非やれと言われれば初め半年や1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば全く確信は持てぬ。三国条約が出来たのは致方ないが、かくなりし上は日米戦争を回避する様、極力御努力願ひたい」≫というくだりである。

≪どうしてもやるなら『結局、桶狭間とひよどり越えと川中島とを併せ行うの已むを得ざる羽目に追い込まるる次第に御座候』(半藤一利著『昭和史』P368平凡社ライブラリー)≫という肝腎な部分も脚本ではカットされていた。

映画は、書籍における史実の叙述と違うのを認めるが、筆者には甚だ物足りない内容だった。せめて近衛文麿との会話は挿入すべきだったと思う。何より主題歌がよくない。歌はあの「シクラメンのかおり」と直さない小椋佳。眦(まなじり)とは、相変わらずヘンな作詞である。新聞記者・真藤利一は架空の人物である。原作・半藤一利を文字ったものだろう。それが成功しているか、どうか判らない。「新名丈夫」という本音を書いた新聞記者も居たのだが…。

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