合格者と不合格者を振り分けるのが受験だ。人気高校の競争率は高くなる。
たとえば、済々黌高校の昨年の後期入試についてみてみると、最終出願者574名で、これは定員320名の1.793倍である。単純に考えれば、一教室で40人が受験した場合に、その教室では18人は不合格となる計算である。
しかし、この数字にべつにおののく必要はない。なぜなら、最初から合格可能性のない連中もおおく受験するからである。さらに倍率の高い高校もあろう。必由館、千原台なんてのもかなりたかい。しかし、とくに高校受験ならば、不思議だが最初から合格可能性のない者も受験するので実質的競争率は低いと考えてよい。
明成塾はほとんど不合格者をださない。それは実は単純な理由だ。たんなる記念受験は意味がないと考えているからだ。客観的にみて、合格可能性がないならば、それをはっきりと教えるのが役目だと考えている。多くの塾では、がんばれば受かるなどと、抽象的なことをいって励ますかもしれない。しかしながら、(現時点ではなく)高校への出願時期には、プロであれば可能性の有無は見極められるはずだ。とくに公立入試については、合否判定法が明らかにされている。これは、各種の模試などでは解析できない部分もおおいだろう。そのようなときに総合的に判断してアドバイスをすべきと考えている。昨年は、当塾エリアの中学から、ある高校への合格者が、18名受験して6名であった。その高校には、当塾からは3名受験して全員合格したわけである。そうして、不合格となった12名の多くは、他の近辺の塾に通われていたと聞く。このことは、どういうことを表しているのかといえば、不合格者を多数輩出している塾が実に多いということではあるまいか。これはひとえに、そのような塾の方針が、合格させることを第一としていないことを示していると思われる。
地域の受験生の保護者の方は、このような事実を知らない方もおられるであろう。しかし、これが事実である。

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