高校が「受験に必要とされない科目は勉強しなくっていいよ。」といったお墨付きをくれたものの、いまとなって、それがばれ、「許しません!」と高校がお役所に怒られている問題が生じている。
これは現代日本の体質を具現しているひとつの事例にすぎない。はっきりいって、なにを今更と思っている者も多いだろう。「許しません!」といっているお役所の「全体の奉仕者」のなかにも、その種の未履修待遇の高校既卒の者もあろうからだ。
また、それぞれの高校生らとて、「おれの学校は、その科目は勉強しなくていいんだぜ。」なんて話はとうの昔からあったはずであろう。したがってこれを本気で言うのならば、さかのぼってその種の全卒業を取り消すのがよかろう。そうすると20代、30代で再び高校の門をくぐるわけである。そうして高校卒業を前提とする大学合格も取り消され、さらには就職の内定も取り消され、「許しません!」と言っている奉仕者の集合体にも、いまや高校がよいとなる者も生じよう。
日本とはそのような体質の国なのだ。高校では3学期をほとんど出席しないでもいいというところもある。受験勉強のためだそうだ。
このアナロジーとして提供するのは、あるお役所の奉仕者は、年に数回しか出勤せずに給料だけはもらうそうだ。さらには特別職の奉仕者などは、各種交通機関などの乗車料はタダなんてのもある。
未履修の者には履修させるという正義はあっても、日本全体に蔓延する、本物の腐った大人の側の未履修を糺す正義は存在しない。
さて今回の未履修については、学校を含めた大人の側の決めた問題で、ゴミを拾わされる全国の高校生は実に気の毒だ。

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