塾のチラシには合格者数が踊っている。やれ何名だ!やれ何名だ!見てみろ!すごいだろっていった感じだ。それはそれで面白い。まあ、群雄割拠でやってくればいいと思うし、俺としては卒塾生の大学生のバイト先になればいいと思っている。明成塾は定員制なんで、とても少数なのかもしれない。従って当塾が公立高校合格率100%といったときは、塾生だった10名そこそこが志望校に完全合格したという意味できわめて明確だと思っている、もちろん大きな塾のようにすべての高校に毎年合格者を送り出すわけではない。そんなことは数の論理として当たり前だ。入塾した生徒の志望高校に合格すればいいからである。いわば「寺子屋」的な塾である。
数の論理は、面白い結果を招く可能性を秘めていると思う。仮定的なお話をすれば、合格者数崇拝型の人は、より巨大な資本を投じた塾がこの県に進出すれば、右へ倣え的にそちらにシフトするかもしれないという点である。常識とまではいえないが、生徒数の多い塾の方が合格者数が多くなるのは、小学生でもわかることであるから、この仮定はいつ生じても可笑しくない。
もっとも、そんな話と当塾は良かれ悪しかれまったくの無縁である。当塾に来られる生徒さんは、塾日以外も、あるいは学校帰りにも自由に勉強に来ている。談笑のときもあろうし、卒塾生が直接塾生に語りかける場面もあろう。そしてまた保護者の方も、気軽に話ししに来られる。当塾では
合格者数は問題にならない。具体的に 〜ちゃんが合格すること、〜君が合格すること、そして〜さんが合格すること、ただそれだけだからである。
もちろん、チラシなんかに合格率を書くことがある。それはPRのためである。言うまでもなく合格者数を書いても当塾のような少数定員の塾ではインパクトに欠くからだ。仮に合格者数を書くとするならば、10名受験し10名全員公立高校合格などとかくことになるだろう。その場合、どの塾も足並みをそろえてそう書けば読者は公平なチラシの見方ができるかもしれない。でも果たしてそうなるか。〇×高校50名合格と書いていたチラシが、〇×高校受験者65名中50名合格と書くだろうか?えっー、それって15名も落ちているのってなるかもしれない。逆に52名受験50名合格となると、おーっすげえとなるかもしれない。ともかくチラシなどを見るときは、そのあたりの行間ならぬ「数間」を読むのもいいのではなかろうか。そうすると自ずと真実が見えてくると思われる。

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