学習塾をえらぶ際には、保護者の立場になればわからないことが多いだろう。ただその際に一つだけいえることがある。選択の目的を事前に明確にしておくことである。
いくつかの類型にわけて話をしよう。ただし、これを読まれる方も、書いている者が学習塾サイドの者であることを承知で読んでください。しかし極力客観的なことを書くつもりである。なぜなら、かくいう私も保護者様の立場ならばとまどうからだ。
塾は形態として大まかに、個別(一対一では決してない点に注意:実際は一対多だ。このことは個別と銘打っている塾の前を通れば、同時間に自転車が何台も並んでいるのでおわかりだろう。)形態・・・各自の学習範囲はばらばらであることが通常と一斉指導形態(生徒の人数は様々)とがある。
形態ごとにどのような利点があるだろうか。それは保護者様が指導者の立場にたって考えれば自ずとわかるだろう。シュミレーションしてみよう。
@・・・あなたは今日から個別指導の先生(当塾の卒塾生のバイト談から)。ある時間帯に中1の生徒が数名、中2の生徒が数名、中3の生徒が数名来て、仕切りで分けられた空間に座る。彼らは与えられた問題集をやっていく。そのなかで、解き方がわからない者もいる。なかには先生に質問する者もいよう。しかし何も質問することなく、最後に問題集の答え合わせをして帰るだけの子もいる。もし彼らがいっせいに質問したらどうだろう。先生であるあなたは神様でない限り全員を指導することは不可能だ。
A・・・次にあなたは一斉指導の先生となる。クラスは多人数。苦手な子はしゃべりまくり、できる子はどんどんとく。あなたのやることは苦手な子のお世話だ。あるとき苦手な子の親から成績があがらないといわれるだろうし、できる子の親からはクラスでさわぐ子をどうにかしてといわれるだろう。しかし、クラスの大半は先生が面白いというかもしれない。実際、このような塾には生徒が集まっていることも多い。
B・・・あなたは一斉指導だがほぼ同レベルの学力の生徒が学ぶ塾の先生となる。あなたは生徒が互いに切磋琢磨してがんばる姿を前に、どのようにすれば成績をのばせばいいかを日夜考えるだろう。
このほか、一斉指導で多人数(学力レベルがほぼ同じ)もある。
塾の選択はお子様の個性も大きくかかわる。そのために保護者様が、好ましくないと考えてもあえて、自己の望まぬ形態を選択される場合もあるようだ。
次に授業料についても考えてみればよい。授業料が高い場合には、そのウラを考えればいい。もちろん時間数が多い方が高くなるのであろうけれど、そうではない場合は、指導がすばらしいか、その塾の広告が頻繁かのどちらかだろう。広告を頻繁に出す場合にはその経費は当然授業料というかたちで徴収されるわけだ。まあ、こんなことはいうまでもないかもしれないが、現実には月謝と知識の伝授(授業)とは対価関係にあるとはいえない。
これらのことを踏まえて、さらにお子様の現在の学力を踏まえて、お子様にもっともいい塾を実際に抜き打ち的に塾に行かれて決定されてはどうか。

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