2005/5/31
「企業経営理論(成長戦略 part4)」
Web研修
今回も成長戦略について整理します。
【ビジネススクリーン】
前回登場したPPMをより高度にしたものとして、GE社のビジネススクリーンがあります。
これは縦軸に「産業の魅力度」、横軸に「自社の強み」をとり、定性的な要因を含めて分析しようというものです。
それぞれ2つの軸は3等分され、9つの象限から評価されます。
@「産業の魅力度」の評価基準
市場規模、市場成長率、その業界の利益率 など
A「自社の強み」の評価基準
市場占有率、価格競争力、技術力、品質力 など
なお9つの象限のの内容はおおよそ以下のとおりになります。
9象限のマトリックスは書きませんので、参考書などを参照ください。
(シェア拡大をめざすもの)
・「産業の魅力度」が大、「自社の強み」が強
・「産業の魅力度」が中、「自社の強み」が強
・「産業の魅力度」が大、「自社の強み」が中
(最も利益が出るもの)
・「産業の魅力度」が小、「自社の強み」が強
(PPMの問題児に該当)
・「産業の魅力度」が大、「自社の強み」が弱
(撤退もしくは選択投資)
・「産業の魅力度」が小、「自社の強み」が弱
・「産業の魅力度」が中、「自社の強み」が弱
・「産業の魅力度」が小、「自社の強み」が中
(ビジネススクリーンのメリット)
いろいろな指標を選んだり、評価の過程で議論を加えやすいプロセス型のポートフォリオなので、意思決定に柔軟に活用できる。
(ビジネススクリーンのデメリット)
評価に内部データを使うことが多く、他社との比較を行いにくい。
また指標の取り方が主観的になりがちである。
最後に現在注目を浴びている経営手法のM&Aを取り上げておきます。
【M&A】
M&Aとは「企業の合併・買収」のことです。
(M&Aの形態)
@TOB(テイク・オーバー・ビット)
株式公開買付のことです。
企業の株式に関して、価格、株数、期間など公開し、直接株主から買い取る方法です。
フジテレビがニッポン放送に対して行った手法です。
ALBO(レイバレッジ・バイ・アウト)
対象となる企業の資産を担保にし、少ない自己資金で買収する方法です。
テコの原理を利用したM&Aと呼ばれます。
BMBO(マネジメント・バイ・アウト)
企業の事業部門や子会社等の責任者などが、本体企業から株式や部門を買い取り、経営権を得て独立する手法のことです。
CMBI(マネジメント・バイ・イン)
MBOを外部のマネジメントチームが行うことです。
(M&Aのメリット)
@短期間に迅速な事業展開が可能になる
A自社にないノウハウを獲得できる
B買収される側にとって後継者対策になる
C買収される会社の経営者は創業者利潤を得られる可能性がある
(M&Aのデメリット)
@組織風土の融合に時間がかかる
A労務関係の調整が難しい
なおM&Aの形態については合併、買収、営業譲渡などがあります。
これについては経営法務で整理しましたので参考にしてください。
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/46.html
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/48.html
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/50.html
これで成長戦略については終了です。
次回から競争戦略について整理します。

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投稿者: kurogenkoku
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