「苦しい会社に対する愛情を持った支援 〜だから日本政策金融公庫は融資する」
中小企業診断士
今日は在宅ワークの日です。
起業支援金案件に決着をつけます。
どうもkurogenkokuです。
6月に入り、かなり困難と思われた案件に対し、日本政策金融公庫がほぼ満額で融資してくださいました。その数は3件ですが、類型では10件以上にのぼると思います。かなり困難とは民間金融機関(保証協会付き融資含む)に拒絶された案件で、このままいくと破綻もやむなしというレベルのことを言います。ではどのようにして融資につながったのか。
ベタな手法ですが
@精緻な資金繰り表をつくり、向こう1年間の資金需要の見通しを立てる
Aすぐに資金ショートということにならないように、返済原資確保の具体策を見つける
これらの相談者はコロナ以前に経営上の問題を抱えているところがほとんどです。ですから日本政策金融公庫にただお願いするだけではなく、経営者に厳しく現状を見つめなおしていただき、一緒に打開策を見つけ、覚悟を決めてもらうことです。最後に必ずこう言います。
「おそらく金融支援はこれで最後ですから、ここで改善ができなかったら、破綻していただきます」
先日、日本政策金融公庫の融資が決定した会社があります。経営者から感謝のメールをいただきましたが、返信メールにはこんなことを書きました。
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客観的に公正に見ても、今回の融資は相当異例な措置であり、公庫には感謝しなければなりません。一方、見方を変えれば、おそらく融資で資金調達できるのもこれが最後です。
そこでいくつかポイントとお願いがあります。
@最優先課題は「会社の手元資金」を増やすこと。この一点に集中してください。
Aそのために支出は一円でも削ること。また支払いのペースはこれまで通り遅らせてください。取引先に対して、支払いのペースを速めるのは命取りです。
Bこれは会社、個人も一緒です。家族の預貯金も含め、資金を増やすことを意識してください。
C資金繰り計画の実績管理を行います。資金繰り実績表をつくり、毎月、私のところに実績報告してください。ポイントは計画で算出した「翌月繰越額」を実績値が下回らないことです。
D顧問税理士にお願いし、月次決算を行ってください。前月決算が翌月半ばには反映されるくらいのペースです。試算表は私に提出して下さい。
E時に厳しい言葉を社長にぶつけることがあります。失礼と感じることもあろうかと思いますが、ご容赦ください。
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日本政策金融公庫に対しては、私の信用を保証に入れているのと一緒だと思っています。とにかく倒産させないことです。
ところで最近、日本政策金融公庫から私に相談案件が持ち込まれるケースが増えてきました。どれもこれも絶望的な企業です。でも何とか融資の糸口を見つけたい。そのための相談に乗ってほしい。
私も大変ですが、日本政策金融公庫はもっと大変です。膨大な相談申込に対応するだけで、マンパワーが限界に達しています。フォローアップくらい支援機関が対応しないとですね。

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