2010/7/22

湊かなえ「告白」  Art・本・映画

最近松たか子主演映画で話題が再燃している「告白」。
前から興味はあったんだけど怖そうだし後に引きずりそうで手を出さなかった。
でも文庫本になったので丁度良い機会だと思い読みました。

(以下かなりネタばれあり!これから読む人要注意!!)

想像通り読後感は後味悪い。モヤモヤずるずる嗚呼!って感じ(^_^;
でも直ぐ2度目読みに入ってます。これはボクには珍しい。
この手の話って1度読んだら2度と読まないのが普通なのに。

粗筋は各所に書かれているように中学生に娘を殺された女教師の復讐談。
各章ごとに語り手が交代して自らの想いを告白する構成は秀逸。
読んでてページを繰る手が止まらなかった。
まさか、こういう展開をするとは!こう来たか!と興奮(^^;)ゞ

登場人物が森口先生を含めて自分勝手。自分のことしか考えてない。
もう少し客観的な目を持とうよ。あと、相手の言うことを簡単に信じすぎ。
相手がウソを言ってるとか誤魔化してるとか考えないのか?
それを真に受けて更なる愚かな行為で周りを巻き添えにして・・ホント馬鹿。

それに犯罪を犯した少年2人が全く反省していないのも恐ろしい。
森口先生に復讐への躊躇が無いのもゾッとする。
アンタ、復讐を・・犯人を追詰めることを楽しんでないか?
確かに彼等の行為はサイテーだけどアンタに人を裁く権利はあるのか?

もっと直接とことん話し合うべきでは?そうしたら分かり合えるのでは?
でもこの小説はそんな甘っちょろいキレイごとを吹き飛ばす闇パワーに満ちてる。
登場人物の誰にも共感できない。人間的魅力は全く感じない。
そして誰も信用できない。こういう物語を読むのは初めて。
人間の嫌な部分、ダークな闇を表に曝け出して・・サイアクの読後感。
でも・・・読んでて何故か爽快感がある。オモシロい。ワクワクしてる。

ラストシーン。森口先生は本当に「爆破」したんだろうか?
幾らなんでもそこまでするだろうか?でも、するかも知れない。
その気になれば人間なんだってやるだろうしできる。
一方であれはウソであってほしい。そんな気もする。
それは「人間はそんなに愚かじゃない」と信じたいから。

もしオレが森口先生の立場だったら同じことをするだろうか?うーん。
ここまではしないけど・・・似たようなことはするかも。
でも、多分「復讐する」ことに躊躇いを感じて止めるかも。ワカラン。

この小説、「少年法、親子、法に守られた犯罪者への復讐」の視点で語られることが
多いようだけどボクの感想は全然違う。

むしろ、「人は分かり合える、許しあえる」そんな性善説に作者は揺さぶりを
掛けたかったのでは?
「人間は愚かだ、どうしようもない」悲しいけど・・ありえるでしょ?って。
それを前提として「あなたたちはどうするの?どうしたいの?」って突き付けてる気がする。
そして悔しいことに読んでて楽しい。エキサイトしてる。
自分にこんなダークな作品を楽しむ感性がある。おぞましくも新鮮な発見。
先生の復讐に「これはイカンだろ」と思いつつ「もっとやっちゃえ」というキモチがある。
認めたくないけど認めざるを得ない。嗚呼イヤだ。
イジメって若しかしたらこういう感情から起こるのか?だとしたらイヤだ。
思うのは自由。でも行動には移さない。あくまで思うだけ。行動はダメ。それを肝に銘じよう。
絶対に。

中島哲也監督の映画版も素晴らしい出来らしい。
一人で映画館で見るのは怖いので・・・DVDになったらレンタルしてウチでみよう(^_^;
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