前回の続き・・・・
とても周りに評判の良かった
ルソーのジャズメタルでしたが、1年半ぐらい使いまくったおかげでサイドレールとティップレールにメッキのハゲが出てきました。金メッキの部分が少し剥がれて、下地の銀メッキが見えてきてしまいました。気分的なものもあったのかも知れませんが、その頃から調子を悪くした僕は、次なるマウスピースを探し始めました。
僕はキャバレーバンドで色々な吹き方を覚えて守備範囲も広くなりましたがまたオーソドックスなジャズがやりたくなっていたときに使い始めたのが知り合いからタダでもらった
ベルグラーセンのラバー90/2Mでした。
その
ベルグラーセンはかなり古いもので、元の持ち主もオヤジと同世代の元バンドマンでした。最初に吹いた印象は「ボリューム出るけどぶっきらぼうで息をいっぱい使うマウスピースだなー」と言う感じでした。オヤジ曰く、「オレも昔持ってたけど、音がでかいってモンク言われて使わなかったんだよな・・・」アルトでは
ジャッキー・マクリーンも最近まで(たぶん
フィル・バローンを使う直前まで)使っていましたが、仲間うちでテナー以外で使っている人は誰もいませんでした。(セクション系ではジェリー・ドジオンなんかも使ってますね。)
普通と違うものや、誰も使っていないモノとなるとなおさら使ってみたくなってしまいます。(笑)
「絶対これをモノにしてやる!」としつこく使いました。次第に慣れてくると、これまた味のあるマウスピースでした。太い出音にデカイ音量、バッフルも結構高いのにあまりハデではなく、独特の密度を持った強い芯と、細かなニュアンスは付けにくいのですが、かなり乱暴に吹いてもしっかり受け止めてくれる感じでした。そのゴロゴロした感じが妙にジャズっぽく、バップのリフとか吹きたくなる感じでした。しかし、やはりキツイ!これはなんとかならないのか?と考えているときに、ピーンと閃きました。ベルグラーセンはモノや製作時期によってテーブルやフェィシングに、機械で削った跡がボコボコ残っているものがありますが、そのマウスピースもそうでした。
「思い切って削ってみよう・・・」
テーブルやフェィシングを滑らかに仕上げるときっと吹きやすくなるに違いない!
今は機械屋でもともと手先も器用だったオヤジと相談してテーブルの面出しとリフェィシングに挑戦してみることに・・・・・
つづく・・・・

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