今日はOnceの日。今日に決めたのは、前半トライして怪我すると残りのツアーが台無しになるし、後半の方が体がいろいろ慣れてくるから。打ち込む課題でもないんで、万全な体制でスピード勝負したい。
ってことで今日は午前中レスト。
旦那は朝から森で釣りしてます。

【太公望か!?】
いつもエリアに向かう前と戻った後はShopが軒並みCloseなんで、ちょっとは街を楽しんでリラックスしてから山に上がろう。
ギアを詰め込んだ車を街のParkingに停め、各自ブラブラ。俺は登る用にもう1枚パンツを追加。恐ろしく小さいサイズが安売りだったんだが、履いてみたら普通に入ったんで即買い。最近もうWearがprAnaだらけだけど気に入ってるから、ヨシ。

【アメリカにもあるんやねぇ】
お土産に頼まれてたピンバッジがなかったんで適当になんか買って、またブラブラして、修学旅行みたいな記念撮影して、登るために少しだけ腹拵えしよう。体重くなるとイヤやしね。

【修学旅行】
と思ったけど、気づいたらMexican Foodの列に並んでた。えぇ、想像通りの想像を超えた量ですよ。午後から今回のメインイベントなんだが、大丈夫か?う〜ん。まぁ楽しけりゃどうでもいいか。
店員のSpanishな姉ちゃんが健康的でかわいい。それに対して「せにょりーた」とか「おらぁ♪」とか喋れてるケイやお嬢がうらやましい。

【デカい!】
【デカい!!】

【デカい!!!】
Shop横のお宅で多肉植物に何故か狂喜乱舞してる諸氏のとこに家主のおっちゃん登場していろいろ講義も受けてます。

【おっちゃん登場】
そしていつもの道を爆走して入山。

【今日はClosedだって】

【慣れた林道アプローチ】
アップは、Onceの手前に控えるVisorで。Joshやアキさん、駿とかと混じって。さすがに今回はランジは一撃で止められましたよ。

【Center Visor】

【Visor Lip】
みんな適度に体を動かした後、移動を開始する。
俺はわざと遅れて出立。その間、ダウンロードしてきた最近お気に入りのPVを見て精神統一。このシチュエーションにFitするのかどうかよく判らないが、心を落ち着かせたい時によく見る特効薬のようなMellowな曲。
そして荷物を持って坂を下りると、懐かしくもあり恐ろしくもある、圧倒的存在感を誇る岩が眼下に見えてくる。
前回、俺と凸は恐怖のあまりトライから逃げた。
実はOnceを最終的に「絶対トライする!」と決めたのは、つい先月。
自分の性格上、やるって決めたらササッとトライして登れるのは判っていた。
チキンだけど、絶対にやらなければならないバンジージャンプとかなら、真っ先に飛び込んでサッサと済ませたいタイプだ。でもなかなかやるって決められてなかった。
先月の8月のganpageの結婚式の時。有志の多大な協力を得ながら、本人が以前から欲しい欲しい、でも手が出ない、と言っていたものをみんなでプレゼントした時にganpageから聞いた台詞があった。
「ありがとうございます! ホントありがとうございます!なんか言葉が見当たりませんけど、『Once を登った時と同じくらい嬉しい』です!」
え?
そーなん?
それほどなん?
Onceそれほどなん?
そっか。みんなが経験したものを俺も経験してみたい。これが最終的に決め手に。
当然、トライするなら一番。真っ向勝負。
前回撮影された動画は心がチクッとするんでまともに見たことないし、ムーブもよくわからん。でも人のトライを見るとブルって取り付けなくなる可能性もある。
それに前回来ているし最年長者だし心の準備もできている。みんなの取り付きでの葛藤を考えると、先に登っちまった方が楽だし後続にいいイメージも与えられるだろう(無事に登れれば、の話やが。)
トライ予定者は各自取り付きまで行ってLanding確認してHold見て「ヤベェ」「ヤベェ」言いながら安全な基地に帰ってくる。

【偵察中】
そりゃヤベェわな。初見であれをヤベェと思わない奴の方がヤベェわ。
トライ順なんか決めてなかったんで各自牽制的な動きがある中、それを全無視してそそくさと靴を履き、
「あ、オレ最初に行くわ」
と出立。気持ちがハカハカしてくる前に取り付いた方がいい。
基地からスラブ上の取り付きに向かう。何度も言うが。決めていたものは、決めていた。迷いは一切ない。
マット配置とケイのスポッター、そしてマット固定やスポッターのスポッターの役割を果たすサブスポッター(この時は浩君)の位置を確認。
そして周りの状況と景色を一瞬見渡してから、首にぶら下がる結婚指輪をそっと触って、「うん。大丈夫。」と自己暗示。
「大丈夫!絶対止める自信ありますから!」
とケイ。その言葉の絶大なる安心感たるや。これはケイの屈強な体格のおかげでもある。
そして前回、全く同じ台詞を、前回のメインスポッターを努めた時に卍も吐いたと聞いた。ケイとは全く体格が違う彼が、この課題に恋焦がれ、この課題を熟知していたからこその、別の安心感を皆に与えていたに違いない。
どうなんだろう。
俺は普段はAdventurousなクライミングとは縁遠い。大怪我を想定できる課題は多少なりともこなしてる。でも明確に死を意識できるクライミングなど初めてだ。ルートやっていた頃よりも強烈に死を近くに感じる。こういったクライミングをする人たちはどういう心のバランスでトライするんだろう?ボルダーではなく、何ピッチもあるルート上なんかでどうやって集中力を維持するんだろう。
といった作業・逡巡を一瞬で済ませる。考えても仕方ない。それ以上はタメることもなく。
「いきます。」
と離陸。
まだ動悸はしない。多少の足下フワフワ感があるが、上手く気持ちをコントロールできてるんだろう。
完登。家族。落下。仲間。滑落。怪我。そして、死。
本来頭の片隅に残しておくべきであろうものを、意識的にシャットアウトして離陸。
1手1手を進める。
「よし、このホールドはガバだ。落ちない。」
「ここは足ブラにしても大丈夫。落ちない。」
「遠いな。デッドか?でもアレは効くのか?届かなくてもフルロックで戻れるはず。落ちない。」
1手1手、「ここでは絶対に落ちない」と、頭ではなく手が、体が判断しながらの前進。
そう。落ちないこと前提のトライ。「登り切ること」ではなく、「落ちないこと」に全神経を注いだ。
逆に前回メンバーは、途中何度もわざと落ちる、スポットする練習を繰り返したらしい。確実に、安全に完登するために。しかし俺からすれば狂気の沙汰だ。俺にはココでそんなことはできない。

【行くのがコワい定番のアングルポイントから(ふぉとまんじ)】
そして遠めのリップから、大きいけどザラザラと砂の溜まったリップ上のHueco群を使って腹這いで躙り上がりマントルを返す。ココでまず声が出て、返し終わってスラブを駆け上がる。
登った。
登り切った。
落ちずに登り切った。
ピークで両の拳を天に突き上げ、自然と
「I Love Black Mountain!」
と叫んだ。
後で撮ってもらっていた動画を確認すると、スタートからマントル返し終わるまで47秒。俺の手数では7手。小さな小さな俺の冒険は終わった。
ただ達成感というよりも安堵感の方が遙かに強い。心の重荷が取れたからかな。
ピークでしばし景色を楽しもうと思ったけど、座ろうとした瞬間に高さに対する恐怖がブリ返して、しゃがむ時に一瞬崩れるバランスが怖くてしゃがめない。
ご存じ、比肩する者なきチキンのワタクシ。
立ったままポケットに忍ばせたスマホで急いで周りの写真を撮り、
「写真撮れるくらい余裕なんだよ〜。だから上で浸ったりせずにスマートにすぐ降りていくんだよ〜。」
の体で、一度もしゃがむことなくすぐさま下降。でも正直、恐怖を実感した度合いで言えば下りがピークだった。
奈落の底のに向かうような下降路を降り、最後に奈落の底にダイブするかのような岩への飛び移りをこなすと、グータッチやら熱い抱擁やらでヤンヤヤンヤで皆に迎えられる。

【うれしさ爆発!(あきふぉと)】
女性陣は何故か泣いていた。後から聞いたらケイも涙が出ていたという。
ここでブワッと感動が堰を切る。
スゴイ。
スゴイ、スゴイ。
俺自身が登ったことよりも、みんなでコレを達成できたってこと、そしてみんなでそれを分かち合ってることが何百倍も嬉しい。
クライミングって、チームでできるんだ。
Team Ascentってホントにあるんだ。
前回登った卍・ganpane・ユーやん。そしてそれを見てどうしても登りたくなって後日登った大地。そのトライを見ようともせず、むしろトライを止める立場に回り、俺は気持ちをコントロールする気すらなく逃げた。
でもそれは間違っていなかったと思う。無理矢理登らされるような課題ではないし、浮わついた気持ちで登るととんでもないことになるかもしれない。
だから今回登った俺が前回のOnceの取り付きに立っている俺に会ったとしても、絶対に
「今の気持ちならヤメとき。死ぬけん。」
とアドバイスするだろう。
今回は気持ちをコントールして登ることができた。
ただ、俺には(凸にもだけど)前回からの長いスパンがあり、気持ちの準備をするには十分過ぎる時間があった。
それに比べ、前回の卍・ganpage・ユーやん・大地。今回のケイ、後にトライする3者、各自の想い、過程はどうであれ、それを初めて目の前にして、きっちりツアー中に完登を決めている。写真や動画では決して伝わらない圧倒的なスケールとロケーションと恐怖感を初めて目の前にして、逃げることなく。
ケイに至ってはうちらと合流前。1人でノーマット・ノースポットだ。
クライミングに関して逃げることが決して悪いことではないことは理解している。ある意味危機管理ができている証ともいえる。
しかし実際にOne Dayを決めた奴らを目の前にすると、自分が如何に矮小か、ヌルいかが見えてきた。
クライミングの素晴らしさと仲間への大きな感謝、安堵、幾ばくかの達成感と、そしてほんの少しの敗北感。
それがOnceが俺に与えてくれたもの。
基地に戻っていろいろ自分を落ち着かせる。よかった。
ふと見ると、横にぶっ倒れて目に涙を溜めてる求。
ナニナニ?俺様の登りにそれほど感動したか?
と思ったら、
「なんかわかんないんです。登るか登らないかを未だ決められない自分に対して自然と涙が止まらないです」
とな。
登る前にみんなで偵察したとき、「ランディング、傾斜してるというか、もうスラブっすよね、アレ」と浩君。
そして求は「この岩、この位置じゃなく、平地に普通にあったら取り付きもしないしないクソ課題ですよね、コレ!」
と宣ってた。
気持ちは判るけど、らしからぬ発言。今考えたら、気持ちの整理をつけれずにいろいろ混乱してたんだろうなぁ。
さて、1番手の興奮が落ち着いた後に後続トライが開始される。
2番手の時は俺はサブスポッターに回った。メインは安定のケイ。クライマーは凸。
凸は思ったより落ち着いているようだ。同じ2年間の苦渋を嘗めた彼は何を感じるだろう。
「マットがずれないように固定だけして下さい」とケイから指示を受け、それだけ心掛けた。
少しタメがあった後の離陸。

【凸トライ(ふぉとまんじ)】
さすがにココは落ち着いて登るだろと思ったら、実に凸らしいいつもの凸スタイル。ここで落ちたらいつものCat Landingで岩を背にして着地するんだろうか?そうなると勢い余って傾斜を駆け下りてしまって死亡コースだなと想像して全身に鳥肌が立ったところで、ガバにヒールをかましてる。
「ちょっと待って!ここでヒールはヤメテ〜!」
と心の中で叫びながらも、本人は超安定してたようで、そのままリップに抜けていく。
マントルを返し終わり、スラブを手で軽く「パシッ」と叩くよく見る仕草が、今回は特に印象的に見えた。
単なる岩への挨拶なのか、愛憎入り交じった感情なのか、とにかく岩に想いを伝えてるような行為に神聖な感じを受けた。その掌に込めた想いはなんだったろう?
そして怖いクライムダウンをこなして、再び怒濤の歓喜。凸と抱き合う。
うん、うん。よかった。
ホント良かったよね、俺たち。
頑張ったよね、俺たち。
報われたよね、俺たち。

【2人だけにわかる感情(あきふぉと)】
とにかく2人とも登れたのがホントに良かった。
2年間2人で味わったあの屈辱というか敗北感というか劣等感。技術とかじゃない。前回は2人して岩に負けた。心が負けた。
でも今回はやっと勝てた。多分コレは、ここにいる誰でもない、俺たち2人にしか判らない感情だ。
何度でも言う。よかった。ホントよかったよ、俺たち。
さぁ、続いては誰だろう。
ん?求のようだ。ちょっと意外だった。登りたいオーラを爆発させてる浩君が先に取り付くもんだと思ってた。
「俺は最後にトライする。」(だから安心してトライしてこい)
と、独りでとり残されるプレッシャーを回避させるために、浩君は殿を名乗り出たらしい。
スゲーな、浩君。
外見だけじゃなくでやることもイケメン過ぎて言葉もないわ。もういっそ抱いてくれ。
俺はサブスポッターを卍に変わってもらう。
上から写真を撮ってみたいというものあったけど、クライマーの不安要素は極力取り除いてやりたい。そう考えると、メイン=ケイ、サブ=卍が正解かつ鉄壁の布陣だ。
求は意を決したようで基地から出発。緊張してる様子もないけど、若干まだフワフワしているようにも見えた。
一声掛けて、断じてツアー用ではなく子供の運動会用に買った重いレンズをぶら下げてザレ場を駆け上がり、目星を付けてた岩の上のポイントに這い上がる。ヨシ、まだトライしてないな。
構図を決めて若干不安定な体勢でしばし待つ。
待つ。
待つ。
・・・・・
・・・・・
不安定だから足シビレテキタヨ。
どのくらい待ったろう?1分なのか5分なのか10分なのかわからん。
唐突だけど、クライミングに最も重要なのはリズムとタイミングだと個人的には思ってる。
今、自分の体の中のリズムを作り、スタートするタイミングを作るのに時間を要してるんだろな。気持ちの持って行き方で体のリズムを作れれば、自然と登り出すタイミングが内側から出てくる。そんな内部作業。
あとは体のリズムを感じながら登っていくだけ。
そして離陸。
横からの観戦もド迫力だが、上からの俯瞰も圧巻だ。
淀みなく、そして静かにムーブをこなしマントルを返す。俺と凸が駆け上がったスラブは、ゆっくりと。ゆっくりといろいろな想いを踏みしめるように歩いて上がっていた。
ピークでは座り込み、しばらく眼下の景色を眺めている。完登者だけに訪れる素晴らしい景色と悠久の時間。

【特別な時間】
俺も当然駆け下りて喚起の輪に混ざる。
開放されたかのように急に饒舌になる求。クライマーあるあるだ。彼もココで何かを越えたんだろう。
最後は殿を勤める浩君。
もうね。彼のトライについては殆ど書くことがない。登りたいオーラを一気に爆発させて、さっと登っていった。

【安定の浩君トライ】
しかもちょうどいい時間帯だったのか、後光が差してるってぇ具合ですよ全く。やることなすことイケメンだわ。

【後光クサレイケメン】
こうして俺たちのトライは終わった。
と思ったら。
みんながトライ中に「俺?やりませんよ?」と即答してた駿。
まぁそれも仕方ない。普段なら茶化すけど、ここでは「気持ちが入らないならやめといた方がいいよ。まだ若いし、頑張ればいつでも来れるから。」と返しておく。
しかし全員が完登したのを見てて、思うところがあったらしい。
「行きます。行きますよ!あぁ〜、もう見なきゃ良かったよぉ」。
感化されましたな。
そしてそれがTeam Ascent。うっちーが言うところの「上昇気流」ってやつだ。
でも若干浮ついたというか、フワフワして気持ちが定まっていない感じが明白だ。大丈夫だろうか?無理はすんなよ。でもでも本人が決めたなら任せるだけだ。
「簡単だから!」
「落ち着いて!」
と完登者からのアドバイスを受けながら駿のExtra Try。
もうね。恐ろしかった。
前回ツアー時の完登者は登るときに決めごとをしていたらしい。
「足を切らないこと。」「デッドしないこと。」至極真っ当だ。
でも駿は3回も足は切れるわデッドはかますわで本当に危なっかしかった。俺も凸も足切ったけど、アレは「切れた」んじゃなく体勢入れ替えるために足ブラで「切った」もの。全然意味合いが違う。もうバタバタ。

【足キレキレ】

【なんとかかんとか】
何とかマントルを返して登り切ったあと、下でサブスポッターを勤めてた浩君が
「もぅ、ふっざけんなよぉ〜」
と(精神的な)疲労困憊でマットに倒れ込んだのが、実は今回の一連のトライの中で一番印象的なシーンだったかも知れない。
以下に、完登者本人の弁をFBより転載。
2年前のBlack Mauntainツアー。2日目に偶然にも運命の課題に出会った。
課題の名前は「Once Upon a Time」。
そのロケーションと圧倒的な存在感は他の課題を凌駕していて、一瞬で虜になった。でも、課題のある場所は一歩間違えば死の可能性があり、その時は恐怖心からなのか、スタート地点に立つことすらしなかった。
その日、一緒にツアーに行っていた仲間3人がその課題を登り、後日、仲間がもう一人登った。完登を祝う飲み会では心の底から喜ぶ事は出来ずに、悶々とする気持ちと、自分の弱さへの悔しさで、そのツアーは何も達成感が得られることができなかった。
それから2年。
2回目のBMツアーが決定し、スタートに立つことが出来れば今回は登ろうと決めていた。
4日目に触るまで、幾つかの課題にChallengeしていたけど、頭の中にはどこかにOnceが過っていて、だから軽い捻挫もしたのかも。
ついにTryすることになった日、今回はスタート地点に立つことが出来た。
やろう。
宮脇さんが一番でみごと完登し、次は自分が行くことにした。
登れるイメージしか無かったが、それでも、基部で暫く気持ちを落ち着かせた後、Tryし始めた。
後で動画を見ると30秒程だったが、もっと長くも短くも感じた。夢中で登り、この課題を初めて見てから730日以上経ってようやくこの圧倒的な岩の頂上に立つことが出来た。
不思議と頂上に立っても感動は無かったが、岩から飛び降りみんなと喜びを分かち合ってようやく喜びが湧き出してきた。登れて良かったというか、生きて帰ってきて良かった。
今回は一緒に登れた4人と、スポットをしてくれた仲間と、最後まで見届けてくれた仲間と共に感動を味合うことが出来て本当に良かった。今回のツアーメンバー、前回のツアーメンバーみんなの力がなければ登れなかったと思う。正直、今回はこの課題をやるためだけにツアーに来ていたけど、登れて本当に良かった。ありがとうございました。
まだまだ、やりたい課題も山程あるし、今度はいろいろな課題を楽しみにいつかまた来よう!!
ツアーメンバーのみんな、Black Mountain、大好きだー!!
アメリカツアー最大の目的!というか、この岩のために行ったと言ってもいいくらい。
登れるか登れないかではなく、トライできるかどうか。
ツアー前もツアー中も岩の前でも『やるの?』と聞かれても『わかりません』としか返事できなかった。
普段の状況なら絶対登れる、でも心が決まらない。
落ち方によっては自分も下でスポットをしてる人も大怪我してしまう、命をも落としてしまうかもしれない。
登りたい気持ちと、絶対にミスできない不安。
初めての状況で涙が溢れて止まらない。
チョークバックを腰に巻いても、
シューズを履いても、
岩の前に立っても、
決まらない。
スタートホールド掴んだ状態で振り返り『実はまだ、やるか決まってないんです』っと言った時に
『自分のタイミングでいいよ』と穏やかな声で言ってくれた卍さん
『万が一落ちても絶対に止める自身あるんで大丈夫ですよ』と言ってくれた堀江さん。
先に登って勇気をくれた宮脇さん、凸君。
一人涙を流してる時に茶化すわけでも煽るわけでもなく静かに、でも心強く応援してくれた西村さん、アキさん、かずはさん、駿くん、ジョシュ。
そして、『俺は最後に登るから』と一人残され決断を迫られる状況を消してくれた足達くん。
登ってる間はみんな無言だったのか応援しくれてたのかわからないぐらい集中してた。
でも、一手一手力む事も焦る事もなくリラックスでき、
今までも、多分これからも無いくらいバランスがとれた最高の登りができました。
みんなの応援とサポートにより心が決まりトライすることができ、登り、最高の景色を見ることができました
心から感謝します
本当にありがとうございました
俺、Once Upon a Time 登ったぜ!
絶対登らないな〜と思ってる中、大先輩方は着々と登り。見てるのがきつくて見てられないけど見ていたいという葛藤に駆られとりあえずホールド見て結果トライ。
3回も足切れてしまうというへなちょこぶりだったけど、なんとか一撃。止めずにスポットしてくれた堀江さん足達さん。
Goサイン出して見守ってくれた宮脇さん凸さん卍さん求さんひとみさんあきさんかずはさんジョシュ。
このツアーに参加して、クライミングしてて良かった!Keystoneで登って、かっちょいー先輩方に出会えたことに感謝です。
Team Ascentって書いた。
Team Ascentってホントにあるんだなと感じた。
とにかく俺たちのOnce Upon a timeは終わった。
ほぼ初海外なのに、こんなTOPOの入手も困難な、日本で殆ど知られていないレアなエリアに付き合ってくれ、一緒にこの課題に向き合ってくれた求・浩君・駿。
2年前から今までの苦渋を唯一共に分かち合えた凸。
見てるのも(恐らく見てる方が)ツラい課題なのに逃げもせずトライを見守り続け、応援してくれたお嬢・アキさん・カッサン・Josh。
サブスポットポイントや撮影ポイントを熟知して、走り回って八面六臂の活躍を見せてくれた、Once 完登の先輩、卍。
そして絶大なる安心感を与えてくれたメインスポッターのケイ。
結局全員1Pushでケイや卍の手を煩わすことはなかったけど、彼らがいたからこそ安心してトライできた。
容易に人の心を折り、死を想像させる威圧的かつ圧倒的なその風貌とロケーション。
登る!と決めるまでが最大の核心。
特に難しいわけではない。
むしろ簡単だ。そして難しさだけを求めるクライマーは、恐らくこれを登っても何の感動も感慨もを得られないだろう。
凄く高いわけでもない。
これ以上に高いラインなんてくらいでもある。高さを求めているなら他に行けばいい。
今回と前回の完登者と話してたけど、これは高グレードとかハイボールとかいうジャンルのクライミングではない。
一つの「Once Upon A Time」という独立したジャンルなんだと思う。
こんなに希有な課題の存在そのものと、先行して道を示してくれた前回の仲間達に敬意を。
そして今回立ち会ってくれて、共有してくれた仲間達に最大限の愛と平和と感謝を。
こうして俺たちの小さな冒険は、
「
Once upon a time」(昔〜むかし〜)から
「
Happily ever after」(めでたしめでたし)
で幕を閉じることができた。
さ〜て。
時間がまだ余ってたんで、ぷらぷらすることに。実は今日はUpを含めても2tryしかしていない。体力有り余り。
JoshやアキさんらはそのままVisorに。
俺はせっかくだからと、初BM組を連れて Fire look out Towerへ。BMで一番見晴らしがいいのは間違いなくアソコだ。もう完全に観光モード。
行ってみると今日はやっぱりClosedだった。下のEntranceの回転看板にそう表示があったけど、もしかして、と思ったがやっぱダメ。でもTowerの途中まで上がり、景色を堪能していっぱい記念撮影。
そして遠くにOnceが見える。
あ〜。傾斜スゲーなぁ
あ〜。下地ヤベーなぁ。
あ〜。あんなん登ったんだなぁ。

【Once遠景】
前回は遠目ででも見ると心がチクっと痛くなってたけど、今回はやっとそれを克服。
下に降りてButter Milk Face やら Cracker Boyやらを観戦。

【Craker Boy】

【Buttermilk Face】
そして暗くなってきたんで、みんなで下山。
雲が秋の雲になっててステキ。
帰りは
「アイス食いてぇ〜」
「愛す食いてぇ〜」
「愛、掬いてぇ〜」
と騒いでたケイに、Once Upon a Timers全員でお礼に巨大なIce Cakeのプレゼント。
貴方のおかげでみんな安心して登ることができました。ホントありがとね。

【あ〜ん】
今日はホントにビールがうまかった。
なに?この課題を登りに来たいって?
別に来ればいい。オープンエリアだからそんなのは自由だ。
ただ、その前にちょっと考えて欲しい。
今回のOnceはたまたま俺たちの心と体にFitして、俺たちにはかけがえのない体験を与えてくれる課題となった。でもあなたにFitするかはわからない。
そして世界には素敵な課題、貴重な体験をさせてくれる課題がごまんとある。今回はたまたまそのうちの一つを提示しただけに過ぎない。
日本では殆ど情報のない、日本人が殆ど訪れていないエリアに。
その昔、Climbing Magazineにちょろっと出ていた特集記事だけを頼りに、俺は15年前からこのエリアに注目し、今回の体験に至った。
「詳しい情報が出てたから行く」
「誘われたから行く」
では寂しいとは思わないか?
自分で自分が行きたいと願えるエリアを探すことから、クライミングの冒険は始まっている。そして、そうやって行ったエリア、ラインほど、心にぐっでゅあせるほどFitすることは間違いないない。
海外サイトでも海外雑誌でも海外TOPOでも何でもいい。自分の何かを体現できるエリアを、課題を、是非自分の力で探し出し、訪れて欲しい。
世界は素晴らしい課題やエリアで満ちあふれ、多くのクライマーと完登者を待っているのだから。
あなたのことを待っているかはわからないけどねw。

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