「戦災地図を歩く(12)-東深津町-王子山防空壕」
今天的萬華鏡
福山市全図を広げて、米軍の空爆で焼失した地域をマーキングしてみると、無差別爆撃であったことは一目瞭然。
もうひとつ特徴的なことは、全滅した市街地の周辺に比較的広範囲に炎上した地域が同心円状に点在していることだ。北本庄の陸軍射撃演習場が駅から直線距離で1.7km、奈良津も1.7km、深津高地が2km、緑町四十一連隊兵営が1.6km、草戸の護国神社は2.2km。つまり、これはどういうことかというと、爆撃機が操縦桿を一定の角度に保ってバンクを掛け、福山駅(福山城)を左に見ながら飛べば、先ほどの地点の上を通過することになる。実際の飛行機の操縦はしたことがないが、パラグライダーの操縦感覚でいうとそういうことになる。大きく旋回する時は、遠くの景色を目標に操縦する。芦田川の湾曲線と、埋め立て前の福山港外海、引野と春日の宇山を結ぶ曲線上を飛ぶと、深津高地が大きい円の中心になる。
東深津王子山防空壕

発火するだけの焼夷弾は落ちてすぐなら濡らした筵(むしろ)を被せただけですぐ消えたらしい。ただ、それは傍に人がいて、消火の準備をしている場合だ。避難してその場を離れたら、後はどうしようもない。
近くに王子山を刳り貫いた防空壕があった。全員がそこに避難できた訳ではないが、三方に入り口があって、かなり大きなトンネルが掘られていた。300人がそこに避難できた。東深津で162戸が焼失し、学校も農協も焼けた。死者9名。〆(..)para1002n(ぱら仙人)


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