ごめんなさいでした

鞆の石畳(80)　海岸線(3)　景勝館
　元禄時代の鞆町絵図を見ると、城山の東に道路を挟んで新町があって、次の東隣の区画も道路を挟んで関町。さらにその外側に道路を挟んで石井町がある。石井町の外側は石垣の護岸が描いてある。(江戸時代の町割りは通りと通りの中間が町境だった。道路に面して家が向き合って町をなしていた。次の通りとの間、家の裏口が背中合わせになっているところ、多くは下水溝があった所が町境になる。)門前の前の通りも町家側は石井町で、さらにその外側も石井町だが、海岸沿いに道路がある。家が向かい合っていない道路は船着場や荷揚げ場があったと考えられる。御屋敷の正面の海岸に近い石井町は船着場の入り江になっていて、入り江の南西隅は戎神社の角、北西角は祇園さんの参道際のセルコ鞆店の奥の駐車場に当たる。形は鞆絵図とはちょっと歪だが、道路が付け替えられていないとすればそうなる。今歩いているところは戎神社から海まで出た所で、現在の海岸沿いの県道とその西側の旧道の中間に江戸時代の護岸があった。その護岸の石垣が景勝館の東西に残っている。

　景勝館脇の路地

　景勝館脇の路地を入って行くと、昔の海岸線の石垣がある。この石垣は戎神社の裏からずっと続いている江戸時代の護岸ラインに相当する。

　景勝館駐車場奥の江戸時代の海岸線
　景勝館はこの護岸を跨いで県道際まで建っている。隣(南)の駐車場の奥のブロック塀が江戸時代の海岸線になる。ブロック塀の間にその護岸の石垣が坂本龍馬が宿にしていた桝屋の裏まで続いている。写真左の奥は旧道の側にある元の景勝館、現別館。 para1002n(ぱら仙人)