訴訟時代の占ひミス クローンによる逆選択人生実験
人は必ず死ぬものだから、時を特定せずに「貴方は死にます」と云へば、当たることは当たるが、これでは誰にも相手にされない。範囲は「までに」を使ふべし。「あなたの寿命は**歳までです」といつた場合には、短い方にしか対応できないが、後に、「……に気をつければ」、「相手の……によつて」と付け加へることで、「延ばすことができる」といふ安心感を与へられると同時に、当たりの巾を広げることが出来る。先に恐怖心を与へておいて、後で安心させるのが曖昧さを受け入れさせるコツだ。寿命を云ひ切られて脅されることで、心理的な不安感が生まれる。占術として、曖昧にしかいへないより先に、不確定にしてほしいといふ心理の方が強く働いて、受け入れてしまふ。

これからの時代は、宗教法人であらうと娯楽産業であらうと、はつたりが詐欺罪に問はれるやうになる。医療ミスは全幅の信頼の上で裏切りが咎められる。占ひミスは満腹の軽蔑の上で許されてきた。自信満々に云ひ切つても、あへて逆らつて、逆の場合にだうなるか、1度限りの人生では、立証が出来なかつたから裁判になぢまなかつた。同じ誕生日、同じ運勢の生き物を占ひ結果に逆らつて正反対の選択をさせたら、その後にだう違ひが出るか、クローン牛やクローン羊を使つたり、精細なコンピューター模擬実験で検証できるやうになつてゐる。

誇大広告、誇張表現、はつたりは厳に慎まねばならない。
天中殺の予言を外した和泉宗章は
潔く占ひ師を廃業した。大殺界も生年月日に依拠する部分があるとすれば、時、場所、事象三点セットでずばり言うたら、外す確率はかなり高い。相当危ない。悪いことは云はん。ある程度荷をしたら、欲の股が裂けるほど貪欲にならずに、早めに謙虚になつた方がええ。金持ち喧嘩せずといふぢやらう。

〆(..)para1002n(ぱら仙人)

次回に続く

【参考資料】
▼長島茂雄の天中殺を外した和泉宗章は
潔く占い師を廃業した。生年月日には新暦と旧暦があって、ひとりの人間に2通りの結果が出る。
▼旧暦の根拠となる黄帝即位の時を甲子の年、甲子の月、甲子の日、甲子の時と定めたその出発点にそもそも論理性がない。
第一暦法が4000年も連綿として続いているわけがない。現行の十干十二支表では、1月は「丙寅」から始まる。子の月は11月になる。甲子の年の最初の「子の月(11月)」は、十干が一回りしたあとの「丙子」になる。12月は「丁丑」だ。
▼「甲子」の月が最初にめぐってくるのは始まって5年後の「戊子年甲子月」だ。十二支と月はどちらも12種類でずれることなく5年ごとに同じ組み合わせがめぐる。
「甲子の年」の「子の月」は「丙子」しかないので、「甲子年甲子月」の組み合わせなど絶対にありえない。
誕生日をキーにする占術は皆この矛盾の上に乗っかっている。

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